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「ドラえもうん!」 日曜日の昼下がり、野比家に情けない泣き声が響いた。 声の主は玄関を乱暴に閉め、ばたばたと廊下を走り、 二階へと繋がる階段を上って来る。 「やれやれ」 ドラえもんは溜め息をついた。泣きながら部屋の襖を開けたのは、 ドラえもんの予想通りのび太だったからだ。 「今日はどうしたんだい。ジャイアンに殴られた? スネ夫に馬鹿にされた? それともしずかちゃんに嫌われた?」 ドラえもんはこういう状況には慣れている。何故なら日常茶飯事だからだ。 しかし、のび太は首を横に振り、 「全部はずれ!」 ドラえもんの言葉を否定し、捲し立てる。 「ポケモンのダイパを持ってないからジャイアンたちに馬鹿にされたんだよう!」 「ジャイアンたちってことはスネ夫もってことだ。だったらはずれじゃないよね」 ドラえもんが珍しく食い下がった。はずれと否定されたのが悔しかったのだろう。 「そんなことどうでもいいよ! お願いだよ、ドラえもん。ダイパを出して!」 しかし、 「それは無理だ。ぼくは出せないよ」 ドラえもんは即答した。 「そんなあ……」 のび太は、ガクリとうなだれたが、 ふと、なにかを思い付いたらしく、ゆっくりと喋り出す。 「ああ……これじゃあ、ぼくだけじゃなくて ドラえもんまで馬鹿にされちゃうだろうなあ」 「なんだって!」 「スネ夫あたりが『ゲームのひとつも出せないなんて役立たずなロボットだな』 とか言ってくるだろうなあ」 これが赤点キング・のび太の作戦だった。 「でも仕方ないよね。出せないものはしょうがないもんね」 (ここまで言えばドラえもんは釣られてくれる……) ドラえもんは仮にも未来から来たネコ型ロボット、そのプライドは低くはない。 「ぐぬぬぬぬ……」 「それじゃあ、ぼくは空き地に行って来るよ。じゃあね、ドラえもん」 のび太が追い討ちをかけた。すると、 「のび太くん、待った!」 (よし、かかった!) のび太は心の中でガッツポーズをした。 「なに? もしかして……」 のび太がドラえもんのほうへ僅かな期待とともに向き直る。しかし、 「空き地に行ったらみんなを呼んでおいで」 ドラえもんの言葉はのび太の期待を見事に裏切った。 「ええ、なんで?」 「いいから呼ぶんだ。そうそう、ダイパを持って来るように言っておいてね」 ますますわけが分からなくなったのび太だったが、取り敢えず空き地へ向かった。 数分後、 「ただいまあ、連れて来たよ」 のび太は四人の子供を連れて部屋に戻って来た。 「ほら、ダイパ。ちゃんと持って来たよ」 そのうちのひとり、スネ夫がこれみよがしにゲームを見せ、 「ドラえもん、今日はなにをするつもりなんだ?」 ジャイアンがドラえもんに尋ねた。 「よくぞ聞いてくれました!」 ドラえもんは四次元ポケットを漁り始め、そこから小さな機械を出した。 テケテケン♪ 「ゲームワールド!」 「ドラちゃん、それはなに?」 しずかが尋ねた。 「よくぞ聞いてくれました!」 ドラえもんの言葉にデジャビュを感じずにはいられない五人だったが、 黙って耳を傾ける。 「これはね、ここにゲームを差し込むとゲームの世界に入れる道具なんだ」 五人はそれを理解するのに少し時間がかかったが、 意味が分かると嬉しそうに目を輝かせた。 「すごいだろ?」 ドラえもんは得意気だ。 「それじゃあ、説明書を読むよ。ええと……ポケモンダイパは928Pだな……」 今度は分厚い本を取り出した。ゲームワールドの説明書らしい。 「あったあった。ええと…… “このゲームは最大十二人までが楽しむことが出来ます。 差し込むソフトはひとつで構いません。 ゲームの世界での一日は現実の世界での二十四秒程度です。 だれかひとりがバッジを八つ集め、ポケモンリーグに挑戦し、 見事チャンピオンとなればゲーム終了です” ……というわけだからスネ夫、ダイパを貸して」 「あっ、うん……はい、ドラえもん」 スネ夫がダイパをドラえもんに手渡す。 「ありがとう。それじゃあ、準備はいいかな? それではダイパの世界へ……」 「ちょっと待った!」 待ったをかけたのはのび太。 「なんだよ、のび太。トイレか?」 ジャイアンが苛立ちながら言った。早くゲームがしたいようだ。 「ぼくとしずかちゃんはダイパをやったことがないんだよ? これって不利じゃないかなあ」 「今更なにを言ってんだよ」 今度はスネ夫が言った。 「みんなだって一回クリアしたゲームをまたやったって面白くないんじゃない?」 のび太にしては尤もな意見だ。 「なるほど、確かに一理あるね」 出木杉もそれに賛同した。 「しょうがないなあ、分かったよ」 ドラえもんが機械を弄り出した。 「なにしてるの?」 「時間設定をクリア後に変えるんだ」 しずかの問いにドラえもんが答え、 「時間設定をクリア後に変える?」 のび太が聞き返した。 「そう、これでこのダイパは主人公が殿堂入りして三年たったあとの世界になるよ」 ドラえもんの説明が理解できず、呆然とする五人。 「ああ、主人公っていうのはきみたちじゃなくて…… そう、ゲームのひとりの登場人物として捉えてくれればいい。 きみたちはその主人公が殿堂入りしてからの世界を冒険するんだよ」 「それならゲームのイベントはどうなるんだ?」 ジャイアンが即座に尋ねた。 「さあね……ぼくにも未知の世界なんだ。そっちのほうが楽しみだろ?」 五人の中で首を縦に振らない者はいなかった。 「よし、それじゃあ今度こそ準備はいいかな? それではダイパの世界へ……レッツゴー!」 ドラえもんが言ったと同時に、六人は不思議な感覚に襲われた。 ここは フタバタウン わかばが いぶく ばしょ 「みんな無事に着いたみたいだね」 ドラえもんが人数を確認しながら言う。 「すっげえ! これがダイパの世界か!」 ジャイアンが大声を上げた。 とてもゲームとは思えないほどのリアルさに他の四人もざわざわと騒ぎ出す。 「それじゃあ、今からポケッチとポケモン図鑑とタウンマップとひでんマシンと パートナーのポケモンを配るよ」 「そんなに?」 スネ夫が驚いて聞き返した。 「うん。ポケッチのアプリ、ひでんマシンは全種類が揃ってるよ。 とは言ってもバッジを手に入れなきゃ使えないけどね。はい、どうぞ」 ドラえもんが五人に各種アイテムを配り始める。 ここは殿堂入り後の世界。 五人はポケッチやポケモン図鑑などは手に入れることができないのだ。 「みんなに配られたね。それじゃあお待ちかねの……」 ドラえもんは五つのモンスターボールをポケットから取り出した。 「パートナーになるポケモンを配るよ!」 五人から歓声が沸き起こる。 「アイウエオ順だから……まずはジャイアンだね。どうぞ」 ジャイアンが五つのボールのうち、ひとつを選んだ。 ぽんっ! ジャイアンがボールを投げた。現れたのは、 「グレッグルか!」 ジャイアンが嬉しそうに言う。 「おれ、ゲームでも使ってたんだよ! こいつ」 「よしよし。じゃあ次は――」 こうして、出木杉はリオル、のび太はビッパ、スネ夫はスコルピ、 そしてしずかはミミロルを手に入れた。 「ビッパって……」 のび太は嘆いた。 ビッパのことなら知っている。知っているから嘆いたのだ。 ジャイアンとスネ夫はそんなのび太を笑っている。 「ビッパなんてその辺の草むらにいるじゃねえか!」 「まぬけなのび太にはお似合いだね!」 二人はそう言うと、さらにボリュームを上げて笑い続ける。 出木杉は気の毒そうにのび太を見ている。 しずかはのび太さんのポケモンも可愛いわよ、などとフォローしている。 「はいはい」 ドラえもんが手を鳴らして五人の注意をこちらに向けさせた。 「それじゃあいいかな? そろそろ旅に出なきゃ」 「あっ、そう言えば」 のび太がドラえもんに尋ねる。 「ドラえもんは旅をしないの?」 「うん。ぼくはゲームを見守る役なんだ。タケコプターでパトロールするんだよ」 それを聞いて、のび太は少し残念そうな顔をした。 「ああ、そうそう。ポケッチのアプリに電話っていうのがあるよね?」 ドラえもんの言葉に五人は腕にはめたポケッチを見た。 「その機能でぼくはきみたちに、きみたちはぼくに電話をかけれるから なにかあったら連絡してね」 五人は頷いた。 「これくらいかな。……それじゃあ、みんな」 ドラえもんは大きな声で、はっきりと言った。 「いってらっしゃい!」 201ばんどうろ 草むらを掻き分けて、二人の少年が進む。 「おい、スネ夫! 早く来ねえと置いてくぞ!」 「待ってよ、ジャイアン!」 ジャイアンとスネ夫、現実世界でもこの二人はいつも一緒にいた。 ジャイアンはスネ夫を子分として扱い、 スネ夫はジャイアンを虎の威を借る狐の如く利用しているだけではあったが、 二人はやはりこちらの世界でも一緒に行動している。 「スネ夫、町が見えたぞ! ええと、なんて言う町だっけ……」 「マサゴタウンだよ、ジャイアン」 それも一種の友情なのかもしれない。 とにかくも二人はいち早くマサゴタウンへ辿り着いたのだった。 「のび太さん、わたしたちは急がずにゆっくり行きましょうね」 「そうだね、しずかちゃん」 のび太としずかは主人公とヒロインらしく、二人で行動している。 (わたし、のび太さんと二人で大丈夫かしら……) (しずかちゃん……やっぱり可愛いなあ) しずかはただ単に自分ひとりだけでは不安であることや、 のび太をひとりにしておくのも不安であることなど、 諸々の理由によってのび太と一緒に行動しているのだが、 のび太には下心がありまくりである。 もしこの場にいたら、ドラえもんは泣いていたに違いない。 「そういえば」 しずかが口を開く。 「出木杉さんはどこに行ったのかしら」 出木杉はドラえもんの言葉が終わるとすぐに駆け出して行ったのだ。 「……さあね。もう次の町についてるのかもよ」 のび太が素っ気なく答えた。 のび太は出木杉に好感を抱いてはいない。 なんでもできる出木杉を見ていると、 なんにもできない自分が惨めに思えて来るからだ。 「そうかしら……」 しずかは首を傾げる。 すると、 「うわっ!」 のび太が声を上げ、 「えっ……きゃあっ!」 野生のムックルが二羽、突っ込んで来た。 二人はその出来事に戸惑いながらも、ボールを投げる。 「行け、ビッパ!」 「がんばって、ミミロル!」 この世界に来てから初のバトル、 しかも主人公・のび太とヒロイン・しずかのタッグバトルが始まった。 「ビッパ、たいあたり!」 「ミミロル、はたく!」 ビッパのたいあたりとミミロルのはたくが、それぞれムックルたちにヒットする。 ムックルたちは怒ったのかビッパを攻撃する。 ハクタイのもりにしか生息しないミミロルより、 そこらにいるビッパを狙うのも当然だろう。 「くそっ、まるくなる!」 鈍いビッパにムックルの攻撃を避けるのは無理、 ならば防御力を上げて少しでもダメージを減らすしかない。 丸くなるビッパとそれを集中攻撃するムックルたち。 その光景は亀を苛める子どもたちを彷彿とさせた。 「ミミロル、はたくよ!」 突然、しずかの声がして片方のムックルは戦闘不能になった。 もう片方のムックルはミミロルの攻撃に戸惑い、 「ビッパ、たいあたりだ!」 のび太のビッパのたいあたりを急所に食らい、倒れた。 「……あっけなかったね」 のび太が呟いた。 「あら、のび太さんのおかげだわ」 「へっ?」 しずかの言葉にのび太が素頓狂な声を出した。 「のび太さん、ビッパを囮にしたんでしょう? あれがなかったら駄目だったかもしれないもの」 しずかは壮大な勘違いをしてしまった。 「ま、まあ全部ぼくの計画通りだけどね! あはは……」 のび太が虚勢を張る横で、ビッパは円らな瞳でのび太を見つめていた。 このさき シンジこ きもちを あらわす みずうみ 湖が太陽の光できらきらと輝く。 出木杉はひとりの老人と一緒に湖を眺めている。 出木杉はだれよりも早くそこに着いた。 尤も、出木杉以外はだれひとりとしてそこへは向かわなかったのだが。 シンジこはゲームでは初めてのポケモンを手に入れる場所であるので、 この世界に於いて五人にはおおよそ無縁であるはずの場所だった。 「少年よ」 老人が出木杉に声を掛けた。 「きみはなにをしているのかね」 「……この湖には感情を司る神、エムリットがいますよね」 老人は少し驚き、出木杉の言葉に耳を傾ける。 「ぼくはそのポケモンに興味がありました。……もうここにはいないようですけど」 「少年よ」 出木杉が言い終わるのと同時に老人は言う。 「きみの名は?」 「出木杉です」 「デキスギか……。わたしはナナカマドだ」 「知っています」 出木杉は冷静だった。 ナナカマドは無表情のまま続ける。 「デキスギ、マサゴタウンのわたしの研究所に来なさい。 きみにいいものを見せよう」 出木杉は頷いて、ナナカマドに着いて歩き出した。 ここは マサゴタウン うみにつながる すなのまち のび太としずかが到着したとき、 「なんだね、きみは? 部外者の子どもは出て行きなさい!」 その言葉と共に、ジャイアンがマサゴタウンの研究所から追い出されていた。 「もう、ジャイアン。だから言ったじゃないか」 「どうしたの?」 しずかが尋ねた。 「ああ、しずかちゃんにのび太か。ジャイアンが研究所に入ろうとしたんだよ」 「なんでだよ、なんで入れてくれねえんだよ!」 ジャイアンは腹を立てているようだ。 「だってジャイアン、ぼくたちはただの子どもだよ? 主人公だったら博士と面識があるし、研究所に来るように言われてたけど、 ぼくたちは博士に会ってすらいないんだから」 スネ夫が続ける。 「それにぼくたち、ポケモンもポケモン図鑑も持ってるから、 研究所に用はないんだよ」 「あっ、確かにそうだな」 ジャイアンはやっと納得したらしい。 「だったらさっさとコトブキシティ行くぞ!」 「……そういう訳だから。じゃあね、二人とも」 我が侭ジャイアンと苦労人スネ夫は去って行った。 「スネ夫も大変だなあ……」 のび太がぼそりと呟いた。 のび太としずかはポケモンセンターに行き、 少し休んでから202ばんどうろに行くことにした。 二人がポケモンセンターに入ったとき、 丁度、出木杉とナナカマドはマサゴタウンに到着した。 「いいんですか? ここまでしてもらって」 「気にするな。わたしはきみが気に入ったんだ」 誤解を招きそうな台詞である。 「さあ、着いたぞ。わたしの研究所はここだ。入りたまえ」 「失礼します」 出木杉はナナカマドの研究所に入って行った。 そして数十分後、出木杉は研究所から出て来た。 「意外と……言ってみるものだね……」 出木杉の呟きは青い空に吸い込まれて行った。 次へ
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時は2115年 とある会見場で、ポケットモンスター・on-line ver. の公式発表が行われていた。 120周年記念により、MMO風の本格的なオンラインゲーム化が決められていた。 その舞台を決めるにあたって行われたファン投票では、全世界から累計5000万票以上が集まったとの発表等があった。 会見も終盤となり、最も注目の集まる、ゲームのベースとなる地方の発表の時が来た。 果たして、世界のポケモンファンの支持一番多く受けたのは―― 「今作の舞台は、ポケットモンスター・・・ 金銀です!」 所変わってここはまだ21世紀はじめ頃の、とある平穏な町。 そこには一人の冴えない少年が歩いていた。 名前はのび太。後の主人公になる存在なのだがそれは置いといて・・・ 彼はあるところに呼ばれていた。彼はとにかく急いでいた。しかし予定時間を大幅に過ぎていた。それは更なる焦りを呼んでいた。 「くっそー。なんで僕ばっかりこんな目に・・・ 」 それにしてもこの少年、あまりにも惨めな格好である。 服はボロボロ、足は血だらけ、顔は涙でぐしゃぐしゃと、端から見るとまるで虐めでも受けているのかと疑われる程だ。 しかし原因はそうでは無かった。単純にツイてなかったのである。 出掛けようとした矢先に、母親に0点のテストが発覚し説教を受け、野良犬には追いかけられ、ドブに落ちたり電柱にぶつかったり(ry と、酷い有り様であった。 まあそうこうしている内に、ようやくのび太少年は目的地に着いたようである。 ピンポ―ン 「遅いよのび太~。あっ、のび太に急げなんて言っても無理か。あはははは。」 「のび太クン遅いよ~。みんな待ってるんだからさぁ~。」 「俺様をいつまで待たせたと思ってんだ! ぶん殴ってやる!」 「まあまあ武さん落ち着いて。」 「まあやっと全員揃った訳だし、早速始めないか?」 さて、のび太少年を迎え入れたのは、同じ学校に通う4人の少年少女達( プラス狸・・・ では無く猫型ロボット ) である。 のび太少年( 以下のび太 )に話しかけた順に、スネ夫、ドラえもん、ジャイアン、しずか、出木杉といった。 「いや~それにしても、まさか未来のポケモンができるとは思わなかったよ~。 ドラえもんはこういう時は凄い役立つ・・・、いや何でもない。」 「おう! しかも未来のポケモンだって言うから全然ワケ分かんなくなるかと思ったけど、金銀ならやり込んだから大丈夫だぜ! 何故なら俺様はエンテイをレベル100まで育てたからな! ガハハハハハハ!」 「オンラインゲームか・・・? 未来の技術も見れるならいい勉強にもなりそうだね。」 「ピッピと一緒に冒険できるのね。 早くやりたいわね!」 ここまでの会話を聞き終わり、ドラえもんがポケットからパンフレットのコピーを取り出す。 「これが未来デパートの懸賞で当たったんだ! ポケットモンスターオンライン、βテストサーバーのアクセス権、つまりこれがあればタダで未来のポケモンが出来るんだ!」 そう渡されたパンフレットを眺めた出木杉は、ドラえもんに対し 「 『抽選で50名様』 なのに、なんで5人分も当たったんだい?」 と尋ねる。 それに対してドラえもんは 「よく分からないよ。 まあ当たったんだからいいじゃないか!」 と楽観的な感じで答え、出木杉はそれ以上突っ込まなかった。 「そうは言っても、5人分だから僕は出来ないだけどね… まあ僕の事は忘れて、思いっ切りみんなで楽しむといいよ! それより、そろそろ準備を始めようかな。 スネ夫~? 例の物は準備オーケー?」 「バッチリさ。それより、ドラえもんがどうしても必要と言うからわざわざ従兄のお兄さんに頼んで、借りてきたんだぞ。 ダメだなんていったらタダじゃおかないからな!」 「絶対に大丈夫なんて一言も言ってないじゃないか。やって見るまで分からないよ。」 そう言った後、ドラえもんは傍にあったパソコンの電源を付ける。 「さて、準備ができるまでの間、ゲームについておさらいしておこうか。」 「じゃあまずのび太クンに問題。このゲームはどこを舞台にしているのかな? 」 「ポケモン金! それくらい簡単だよ! 」 「正確には場所で言うならジョウト地方だね、ドラえもん。」 「ご名答~。流石出木杉クン。 じゃあ次はジャイアンだ。このゲームの一番大きな目的はな~んだ?」 「勿論、チャンピオンになる事だぜ! 」 「そう、普通のシリーズと同じ様に、バッジを集めてチャンピオンに勝つんだ。 「ところでドラえもん、もう準備が出来たようだよ。」 「あっ、ホントだ。」 そうしてドラえもんは四次元ポケットの中から小さなメモと、何かの冊子を取り出す。 「スネ夫に頼んでおいたパソコンのスペックは大丈夫だし、あとはこの紙に書いてあるアドレスからゲームをダウンロードすれば・・・ ああっ!? 」 ドラえもんの突然あげられた、謎の叫び声に驚く一同。 一番乗りで声をあげたのは、のび太だった。 「どうしたの!? まさか出来ないの? 」 一瞬沈黙の時が流れる。 しかし、その沈黙を破り、申し訳無さそうに声を絞り出すような感じで口を開けるドラえもん。 「そのまさかだよ・・・ 。」 すかさず出木杉がドラえもんに尋ねようとする 「・・・・・。 どういう事なんだい? 君が試す前からそんな事を言うという事は、何かしら根拠があるんだろう?」 「うん・・・。 実は・・・ このパソコンじゃ駄目なんだ・・・。」 溜め息そして落胆の声をあげる一同。 重い雰囲気のまま時が流れる。 しかしそれは長くは続かない。手を震わせながら立ち上がったのは― 立ち上がったのは意外にも、スネ夫だった 「どういう事だよドラえもん! 君に頼まれたスペックは全て満たしたハズだよ!」 「うん…。 スペック的には問題ないんだ。でも…」 「でも何なんだよっ! 僕は従兄の兄さんにどう顔を合わせればいいんだ!」 続く言葉が出てこないドラえもん。少し考え込むようにした後、再び口を開く。 「えっと… 、このままじゃ納得いかないだろうから、一から説明するよ。みんなしっかり聞いてよね… まず、このゲームをダウンロードするのは勿論未来のホームページ。これはみんな分かるよね?」 のび太を除く全員が頷く。 どうやらこののび太、この時点で話についていけない様である。 しかし、そんなのび太を無視して話は続く 「この時代のパソコンじゃダウンロードページにアクセスできないんだ・・・ 勿論、無理やりインストールする事は出来る。 未来からダウンロードデータを持ってくればいい話だからね。」 しかし、スネ夫は一向に食い下がろうとしない。 「じゃあそうすればいいじゃないか! ダウンロードごときに手段を問う必要なんてないだろ!」 ここで急に、ドラえもんの口調が説明的になる 「オンラインゲームは、自分達以外にも相手がいる・・・、 俗に言うNPCに対するPCのことだ。未来の世界では、タイムマシンの操作による不正が無いようにという事で、タイムプロキシというものが導入されているんだ。 タイムプロキシは、ゲームに干渉するタイムマシンプログラムを遮断する優れものなんだ。 未来のゲームは、これが無いと出来ないようになってるんだ。ここまでみんな大丈夫かな?」 「タイムふろしき? それなら僕がこの前借りてたから返すよ!」 「ふろしき じゃない。 プ ロ キ シ だ! そういえばタイムふろしきが無くなったと思ってたら、また君が勝手に借りてたのか!」 「もういいからのび太は引っこんでろ!」 「そうだそうだ!」 「ヒドいよぉおお、みんなぁあ~!」 のび太が騒ぎだし、雰囲気がグダグダになりそうな所で、出木杉が続きを催促して、話は戻る。 「ドラえもん、それで続きは?」 「今回出来ないのは全て、タイムプロキシが無いのが原因さ。これが無いとまるで歯が立たないからね……」 ――――― 結局、この日は全体的に落ち込んだような、暗い雰囲気のままお開きという事になった。 数日後―― のび太は相変わらず堕落した毎日を過ごしていた。 (最近ドラえもんが日中いないなあ。まあ僕は昼寝するからどうでもいいけど) そう言って今日ものび太が長い昼寝を堪能し始めようとした時、未来に繋がっているハイテクな彼の机は、勢い良く開かれた。 「おーい、のび太クン~!!」 しかしのび太の体は起きない。ドラえもんはそれを揺すって起こす。 「なんだよドラえもん~。僕の昼寝をじゃましないでよ~」 「じゃあのび太君はポケモンやらないのね?」 ここでようやく、のび太の他人より段違いに働きの遅い脳が動き出す。 ポケモン――…? 「ああっ! パソコンの!?」 「そうだよ!」 「えっ、本当にできるの!?」 「今のパソコンで無理なら未来に行けば良かったんだよ! それで、今からドラミのパソコンを借りていいことになったんだ!」 「よ、よ~し! みんなを呼んでくる!」 数十分後― 「みんな集まったね?」 「おう! 早く行こうぜ!」 「じゃあ行こうか。ちゃんと帰る時間になったら帰るんだよ。」 「あら? ドラちゃんは来ないの?」 「僕だって行くよ。ああ、なんでこんな事わざわざ言うのかって? 時間通りに帰らないとドラミが怒るからね。だからみんな時間になったら止めて帰るんだよ。」 「話が長げーよドラえもん! 早く行かねえと!」 「バカだなぁジャイアンは。ゲームが逃げる訳ないのn ボカン☆ 「じゃあ行こうか。」 スネ夫は耐えた。しかし、スネ夫の未来は決して明るくはならないということは、まだ彼は知る由もない 2115年―― タイムマシンに乗って、ドラミが居候している家に到着した一同は、いてもたってもいられないというような感じのようだ。 無邪気にワクワクしている素振りを見せる5人は、ドラえもんの第一声を待っていた。 「・・・うん、・・・・・ 」 「・・・ね。・・・・・ 」 「・・・分かったよ、ただ・・・・・ 」 「・・・よ、・・・・・から・・・・・ 」 ドラえもんとドラミが話を終わらせて、ドラえもんは大人しく待っていたのび太達の方を向く。 「よし、じゃあ早速やろうか! あっ、IDは僕がみんなの分をとっておいたよ。」 「おっしゃー! やるぜー!」 「んじゃあ僕も~。お先に失礼~♪ 」 「私もやるわよ! 」 「僕も僕も! 」 と喜びの声をあげるジャイアン、スネ夫、静香、のび太の4人に、ドラえもんは各自のIDとパスワードが記された紙を渡す。 「じゃあ、ジャイアンは向こうのパソコン、スネ夫はあっちのパソコン、静香ちゃんはこのパソコンでやるんだよ。 くれぐれも変な事はしちゃダメだよー。」 『はーい!! 』 「ど、ドラえも~ん! 僕のは~? 」 「ああ、君のはね、違う部屋のパソコンだよ。壊すといけないからね。」 「それどういう意味~? てか、僕だけ別の部屋って酷いよ~。」 「まあ、気にするなよ。 それよりみんなはもう始めてるようだけど…」 「ああっ、僕も早くやらないと! じゃーねドラえもん!」 「頑張ってね~・・…。さて、僕はみんなの様子でも見て回るかな。」 「ところでドラえもん。 この家には5台もパソコンがあるのかい? 」 「そうだよ。1台は家のパソコン、3台はそれぞれ家族のパソコン、残りの1台はドラミに借りたんだよ。 …って出木杉君じゃないか。君はやらなくていいのかい?」 「それが気になっただけだよ。 そういえばここの家の人はいないのかい? 」 「家族旅行に行ったらしいよ。 ドラミは用事があるとかでお留守番。 さあ出木杉君にもこのIDを渡すから早くやってきな。」 「じゃあ、そうさせてもらうよ。」 「急いで出遅れを取り戻さないのでいいのかい?」 「大丈夫だよ。」 「ならいいけど。」 出木杉の考えはこうである。 この前のパンフレットを見た限り、根本的なゲームシステムや、ダメージ計算式は本編とは違うみたいだ。 だから、先に彼等に好き放題やらせておいて、それを観察した後の方が効率的なハズだ。 こんな事に気づいているのはこの僕だけだろう…。フフフ…。我ながら名案だな。 (あ、そろそろ始めてもいい頃合だな…) そして、数時間後―― 「みんなー、もう帰るよー。」 『え~!? 』 と、保護者的な立場のドラえもんに反抗する一同。しかしドラえもんは断固として 「帰るって言ったら帰るんだ! さあ早く! 」 と、子供達に譲る気配を見せないため、彼らは渋々元の時代に帰る事になる。 しかし、普段は優しいハズのドラえもんが、ここまでかたくなになっていたのには別の訳があった。 (いいなあ、みんな。本当は僕もやりたかったのに…。 あっ! そういえばいい方法があるじゃないか! ふふふふふ…。) それから約一ヶ月後―― 「お~いのび太ク~ン! また未来に行こうよ~!」 「ん、何だっけか? ああ! もしかしてポケモン!? すっかり忘れてたよ! でも急にどうしたんだい? 」 「これを見てよ! 」 ちゃらららっちゃらー 「バーチャルゲームプレーヤー、Winbows Destaバージョン! 」 「……何コレ?」 「これはゲームの世界を体験できる道具さ。 実際はパソコンに入り込んで、ああだこうだって感じだけど、どうせ分からないだろうから説明は省くよ。 まあつまりは、ポケモンがリアルにできるって事だよ! 」 「凄いよドラえも~ん!! 早速みんなを誘ってやりに行こう! でも、どうしてこんな凄い物をドラえもん持ってるのさ?」 「懸賞で当たったんだ! “新・22世紀、絶対当たる懸賞術” のおかげかな!」 (名前からして胡散臭い本だな…) それから間もなく、野比家には5人の子供とロボットが集まった。 そして再び2115年へ―― 『着いたー!』 「早速早くやろうよ~!」 「そうだ! 早く準備しろドラえもん!」 「ドラちゃんだって完璧じゃないのよ。 急かすのは良くないわ。」 「そっ、そうだね静香ちゃん! ドラえもんもじっくりゆっくりとやればイインダヨー。」 「よし、出来た!」 『おおー!』 「どうやるんだドラえもん!」 「えっと、今パソコンと繋いだから、このバーチャルコントローラーを握って、マスターボタンを僕が押せばいいんだ。」 「よーし! みんな行くぞ―!」 「みんな準備は~?」 「オーケー!」 「それじゃあ、みんなでポケモンの世界へ・・・ 」 『レッツ、ゴー!!』 次へ
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640: 名無しさん(ザコ) :2019/05/06(月) 20 24 24 ID j/CimT9I0 野比のび太(ドラえもん) 昼寝とあやとりと射撃の天才。前二つは関係ないが、射撃に関しては驚異の初期値160、命中CTの強化とP属性追加が反映される。 耐久面は絶望的なので、射程のショックガンと威力の空気砲を選んで攻撃を食らわないように立ち回ることが必要。 飛行可能、迎撃&阻止持ち、初期ポイント70且つ優良なラインナップのSP、状態異常付きの武器で結構器用に戦える。 生存力よりもネックになるのはユニット側では話が進んでも上がらない火力。固定アイテムで付与される合体技があるので、採用してくれるシナリオに期待。 野比のび太(西遊記) オッスオラじゃない方の孫悟空の能力を備えたコスプレ。 阻止が事実上の強化を果たし、移動力も+1された。 反面、攻撃面ではもっぱら空気砲以下の2Pで戦うことになるので単純な上位互換ではない。 必殺技は高い威力にパイロットの射撃が判定されるが、状態異常付きなのでダメージ自体は据え置き。 野比のび太(日本誕生) 原始時代コスプレ。アーマーで特定の属性には強いが元が元なので焼け石に水。 武装も減るので、地道に3Pで位置取りをしながら戦おう。その分パーツ数+1。 野比のび太(アニマル惑星) 熊耳の帽子で耐久面と近接攻撃力がアップ。 ただし阻止の限界値が下がり、スモールライトがなくなる。 いつものメンツとの合体技が標準で備わるので、火力はのび太の形態でトップ。
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ドラえもん(テレビ朝日) ドラえもん 2019年10月~19年12月 共通事項 放送時間…土曜17 00~17 30 固定スポンサー 朝日新聞 McDonald s 小学館 2019年10月5日 0’30”…LOTTE、朝日新聞、バンダイナムコエンターテインメント、McDonald s、BANDAI、クレハ、小学館 2019年10月19日 0’30”…朝日新聞、バンダイナムコエンターテインメント、LOTTE、クレハ、小学館、McDonald s、BANDAI 2019年12月7日 0’30”…日本コロムビア、小学館、エポック社、McDonald s、バンダイナムコエンターテインメント、朝日新聞、タカラトミー 2019年12月14日 0’30”…タカラトミー、バンダイナムコエンターテインメント、朝日新聞、McDonald s、日本コロムビア、小学館、エポック社
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オーキド研究所を4人の少年少女達が旅立った翌日、 トキワの森で一人の少女が休んでいた。 「このあたりのトレーナーはほとんど倒したわね。やるべきことはやったし… そうと決まればニビシティに行きましょ」 少女が腰を上げたその時、近くの茂みから音がした。 少女は腰に手を当て、戦闘体制に入る。すると茂みの中から黄色いポケモンが現れた。 「あれはピカチュウ…可愛い…私にピッタリのポケモンだわ。 よし、早速あの子を使って捕まえよう」 少女は腰のボールから蝶のようなポケモンを出した。 「バタフリー、あのピカチュウに体当たりよ!」 オーキド研究所を4人の少年少女が旅立った翌日、 トキワの森で一人の少年と青いロボットが何かを探していた。 「全く、のび太君がボールから出しっぱなしにしてるからだよ」 「だって、ピカチュウはボールが嫌いみたいだし、たまに出してあげないと かわいそうだよドラえもん」 二人が話していると突然茂みの方で大きな音がして何かが光った。 「い、いまのはもしかして…」 「のび太君、置いていかないでよぅ!」 急いで走って行くのび太にドラえもんは必死で着いていった。 「ピカチュウ!!」 のび太は両頬に電気を蓄えて戦っているピカチュウを見て叫んだ。 「あれはバタフリー!?」 後から着いてきたドラえもんが言う。 「と、とにかくボールに戻そ」 「待って!!」 のび太の言葉ドラえもんが口を挟んだ。 「のび太君これはチャンスかもしれないよ」 「ええ、なんで?」 「見たところ、あれは人のポケモンのようだしレベルはピカチュウと変わらなそう。 それにバタフリーは飛行タイプも持ってるからこっちのほうが有利。 これはのび太君にもピカチュウ経験になりそうだよ」 ドラえもんが一通り言い終えると、 「…わかった、僕戦ってみるよ!」 のび太は応えた。 「ピカチュウ電気ショックだ!」 しかしバタフリーに簡単に避けられる。 「そうすると思ってたさ、電光石火だ!」 すぐに体制を立て直したピカチュウはバタフリーへと突っ込んだ。 「バタフリー、念力よ!」 少女の声が聞こえたかと思うと、バタフリーの念波によりピカチュウは 木に叩きつけられた。 「ピカチュウ、起き上がって電磁波だ!」 ピカチュウの電磁波は見事に決まりバタフリーはフラフラと漂っている。 「よしこれで…あれ、ピカチュウ?」 ピカチュウはうつむせに気持ちよさそうに眠っていた。 「のび太君、たぶんねむり粉をまいたんだろう、今はどっちも動けないよ」 「そんなぁ、ピカチュウ!」 のび太は慌ててピカチュウに駆け寄る。それと同時に少女と目が合う。 「あ、しずかちゃん!?」「のび太さん?!」 二人ほぼ同時に言った。 しずかとのび太はそれぞれポケモンをボールに戻した。 「まさかのび太さんがピカチュウを持ってるなんてね」 「オーキド博士に貰ったんだ。しずかちゃんもバタフリーをゲットしたんだね」 「まぁね…そっちの青い人は?」 しずかは珍しい物を見るような目でドラえもんを見た。 「あ、紹介するよ。トキワシティで出会ったドラえもんだよ」 「よろしくね、しずかちゃん」 「よろしく…ドラえもんさん、以前どこかで会ったことなかったかしら?」 ドラえもんは一瞬黙りこんだが、 「いや、たぶん初めてだよ。それと、別に呼び捨てでもいいよ」 「それじゃあ、よろしく、ドラちゃん」 しずかは慣れたように言った。 「それじゃ私は行くわ、ポケモンも回復させなきゃいけないし。 あとのび太さん。ピカチュウだけじゃジムは厳しいかもしれないわ」 「うん、しずかちゃんありがとう。じゃあね」 のび太が手を振ると、しずかも「またね」と言ったように手を振り返した。 ―トキワの森出口付近 「やだよー返してよー」 「うるさい!!大体本当は戦いたくなかったのにお前が無理矢理 戦ってきたから自業自得だろ?しかもお前は金を持ってないと言うから 技マシンで我慢してやろうというんだ、感謝しろよ!」 髪の毛がとんがった少年がきつく言う。 「畜生!!返せ!!」 虫取りの少年はとんがった頭の少年に掴みかかろうとした。 「しつこいなー、ゼニガメ泡だ」 ゼニガメから泡がふかれ虫取りの少年を包んだ。 「畜生うわーーーーーん」 虫取りの少年は泣きながら森の外へ走っていった。 「全く居心地が悪いな!のび太はまだなのか!?」 怒りをぶつけるように少年は独り言を言った。 この後、最大の屈辱を受けることに気付かず… スネ夫がイライラしながらのび太を待っていると、 「あらスネ夫さん、何してるの?」 通りかかったしずかが言った。 「やぁしずかちゃん、のび太をボコボコ…いや、のび太とバトルしようと思って」 「ふぅん、スネ夫さん、のび太さんと戦うのはやめたほうがいいと思うわ」 「えぇ、なんで?」 スネオが問いかける。 「ああ見えても簡単に勝てる相手じゃないわよ、それじゃあ私はこれで」 しずかが通り過ぎるのを見ながらスネ夫は言った。 「何故だ?僕があいつに勝てないだって?? 仮にも相手はのび太だぜ、負けるわけないじゃん」 だんだんと口調が速くなる。 そして、向こうから歩いてくる影を見つけると、 「(ついにきた…!)やいのび太、僕とポケモンバトルだ!」 感高い声が森中に響き渡った。 何故スネ夫がのび太を待っていたかというと、話は昨日に遡る。 偶然にものび太がジャイアンに負けたところを見てしまったのだ。 「ちょwのび太弱www待てよ、これは使えるぞ…」 スネ夫はのび太をトキワの森で待ち伏せをして、バトルで勝ち のび太を服従させようと考えた。何故出口で待つかというと、 森内での戦いにより、のび太のポケモンのHPが減っていると思ったからだ。 そのため自分は極力バトルを避け、万全の状態で日をまたいで待っていた。 「ふふ、僕の作戦は完璧だ、これであいつを利用しチャンピオンになってやる」 スネ夫は自分がチャンピオンになった姿を想像していた。 「え?あ、スネ夫久しぶりだね」 のび太の呑気な一言に、 「くそ、のび太のくせに待たせやがって、負けたほうが全財産を置いていく。 それでいいよな?まぁ僕が負けるわけないけどねw」 そして無理矢理スネ夫が勝負を始めた。 スネ夫はゼニガメを出した。それを見てドラえもんはのび太に言う。 「のび太君、こりゃ楽に勝てるかもよ」 「わかってるドラえもん」 二人がひそひそ話をしていると、 「お前ら、僕を無視するな!」 「ごめんごめん、いけ、ピカチュウ!」 のび太のボールからピカチュウが飛び出した。 「(ち、電気系か…でも所詮のび太だ)ゼニガメ、泡攻撃!」 だがゼニガメは既に倒れていた。 「な、どうしたゼニガメ!?」 「電光石火で先手を取ったんだ、次はこちらから行くよ」 その後の戦いは一方的だった。相性ももちろんだが、なにより スネ夫はのび太を待ち伏せすることばかり考えてポケモンを育てるのを忘れていたのだ。 「そ、そんな~…僕がのび太なんかに…」 「スネ夫、約束は覚えてるよね?」 のび太の一言にスネ夫はギョっとした。 スネ夫は思わず腰の力が抜けて尻をついた。 「ま、まってよ全財産なんて…」 「言いだしたのはスネ夫じゃないか!」 のび太が反発する。 「…あぁもう糞!!覚えてろ!」 スネ夫はのび太を押し退け森の外へ走っていった。 「あぁ逃げちゃった…」 「仕方ないよ、スネ夫も悔しかっんだと思うし、それより早く行こう」 「ちょっと待って、疲れちゃって…あれ?」 のび太が腰を降ろそうとすると、足に何かが当たった。 「しょうがないね…ってどうしたの?」 「い、いやなんでもないよ!さぁ、早く行こうか」 「?まぁいいか」 ドラえもんはのび太が何か隠したように見えたが特に気にしなかった。 (思わず隠しちゃったけど、わざマシン23か。 誰かが落としたものかもしれないからひとまず持っておこう) そして二人は輝く未来へとゆっくり歩き出した。 「…はぁはぁ、疲…れた」 スネ夫はいつのまにかニビシティの外れまで走っていた。 「のび太なんかに…のび太なんかに…もっと…強いポケモンが欲しい」 そういうとモンスターボールから勝手にゼニガメが出てきて、スネ夫に寄りそった。 「畜生、どうせ惨めだと思ってるだろ、どうせ馬鹿にするんだろ! あっち行け!もうお前なんかいらないよ!!」 スネ夫はゼニガメを跳ね飛ばした。5mほど飛ばされたゼニガメは 涙を潤せながらどこかに走り去った。 「強いポケモンさえいれば…」 「お困りのようだね」 突然の言葉にスネ夫は目を向ける。 「おっと、別に怪しいものじゃないんだ。たださっきからずっと見ていたよ。 詳しいことはわからないが君は強くなりたいんだね。その方法を教えてやろうと思って」 スネ夫はいきなりの誘いに変に思いながらも、 「…よろしくお願いします」 「よっしゃ!じゃあついてきな」 そういうと男はスネ夫を連れてどこかへ消えた。 ―ニビシティ のび太とドラえもんはこの町のポケモンセンターで休んでいた。 「さて回復も済ませたし、行こうか」 だがのび太の返事はない。どうやら別の人が持ってたプリンの「うたう」によって、 眠ってしまったようだ。のび太は一度眠ってしまうと中々起きない。 「やれやれ…先に行ってるよ、のび太君」 ドラえもんは、ポケモンセンターを出ていった。 向かった先は、この町のポケモンジム「ニビジム」であった。 ドラえもんがジムの前まで来たとき、ジムの中から一人の少年が出てきた。 「あ、ジャイアンじゃないか」 ジャイアンは独特なダミ声で呼ばれたことに気付く。 「えっと…確かドラえもんだっけ?ネズミが嫌いで短足な」 「…そんなイメージで覚えないでよ」 ドラえもんは口を尖らせて言った。 ジャイアンはこのジムは岩タイプが中心だということ、ジムリーダーのタケシに対しては ヒトカゲの龍の怒りを使い快勝だったということ、イーブイじゃジムは無理だ ということなどをドラえもんに話した。 「やっぱり僕にジムは無理なのかな…」 卑屈なドラえもんにジャイアンは、 「まぁそんなに落ち込むなって。そうだ!俺ん家に来いよ! うちはポケモングッズ売ってるから何か買っていけよ」 「ええ?別にいいy」 「来 て く れ る よ な ?」 指を鳴らすジャイアンを断れずドラえもんはジャイアンの家に行くことになった。 剛田雑貨店(ジャイアンの実家)に着いた二人は、二階に上がった。 「この絵上手いねぇ」 ドラえもんが廊下に飾られてる絵を指差す。 「ああ、それは俺の妹が描いた絵なんだ」 「へぇ妹さんが…でも家にはいないようだけど何処にいるの?」 ジャイアンはドラえもんの言葉に少し黙り込むが、すぐに語り始めた。 「ドラえもん、実はな…」 ジャイアンはまた黙りこんでしまった。 「どうしたのジャイアン?」 「…い、いや、なんでもねぇぜ。そうだ!妹が描いた漫画見てくれよ!」 そう言うとジャイアンは部屋に入っていった。 「(たぶん何かあっんだろうなぁ)」 しばらくしてジャイアンが部屋から出てきた。 「ほら、これが我が妹の最高傑作。その名も「Rape Me」!。 タイトルの意味はわからないがとにかく面白い!読むといつも起っちゃうんだぜ!」 漫画を手渡されたドラえもんはそれを読み始めた。 「これは…」 タイトル通り性的な景写のオンパレード。だがそれでいて漫画としては かなりクオリティが高いものだが、途中でページが切れていた。それをドラえもんが尋ねると 「あぁ、それは未完成なんだ…まぁまた妹が描いてくれると思うから、 また機会があったら見てくれよ」 漫画を戻しに行くジャイアンの後ろ姿は何処か哀しげだった。 だがそれよりも、 「クリスチーネ剛田…センスないね…」 ドラえもんはジャイアンの妹のペンネームにケチを付けていた。 「…じゃあこの技マシンを使えばジムリーダーに勝てるんだね?」 「あぁ、あとはドラえもんの技量だけだぜ」 ジャイアンはドラえもんに技マシンを渡した。 「でも…こんなの本当にもらっていいのかな?」 「ああ、いいんだ。妹の漫画読んでくれてそれだけで心の友だぜ!それじゃあな!」 ドラえもんはジャイアンに別れを告げると街の中へ消えていった。 「たけし!旅に出る前に最後の配達に言ってきな!」 「は~い母ちゃん、言ってきま~す」 ドラえもんを見送ったジャイアンは自転車を漕いでいった。 「ジャイ子もいなくなって、たけしも旅に出ちゃうし… まぁ、私も昔はやんちゃしてたからねぇ」 そう独り言を呟き、少年の後ろ姿を見送った。 一方その頃… 「ぐすん、ひどいよ~ドラえも~ん。僕を置いていくなんて…」 のび太の周りには大きな水たまりが出来ていた。 みんなの手持ち ドラえもん:イーブイLv.15 他不明 ―ジャイアンの家を後にした後、ドラえもんはニビジムに挑戦した。 ジャイアンにもらったわざマシン23「アイアンテール」をイーブイに使い、 岩系使いのタケシ(ジャイアンではない)を相手に終始有利に戦い、 見事に勝利を納めた。 上機嫌でポケモンセンターに戻るとのび太はジョーイに慰められていた。 そして今に至る― 「すいませーんジム戦をしにきましたー」 のび太の細い声がジム内にこだまする。 「やれやれ、今日はヤケに挑戦者が多いなぁ、俺はこのジムのリーダー、タケシだ。 君はポケモンを一体しか持ってないようだから今回は1対1のバトルだ!」 バトルが始まり、タケシはイワーク、のび太はピカチュウをくりだした。 「ピカチュウだと?それで俺の岩ポケモンに勝てると思ってるのか?」 口をにやつかせて言う。 「ピカチュウをバカにするな!アイアンテールだ!」 シッポが光り出し、素早い動きでイワークにダメージを与える。 「畜生、やけに今日はアイアンテール使ってくるやつが多いな、 だがピカチュウの攻撃力じゃイワークの硬い皮膚を破れないぞ!岩落とし!」 ピカチュウは振り注ぐ岩を持ち前の素早さで避け、またアイアンテールでダメージを与える。 「避けられるんなら…イワーク、泥遊びだ!」 イワークがシッポを振り回しジム全体に泥を巻き散らした。 「一体何を…でもあと一発で倒れるはず、アイアンテール!」 だが泥で滑ってしまい、イワークに避けられてしまった。 泥で滑るのを利用し、イワークは岩落としでピカチュウを攻撃する。 「どうだ、素早いほどこの戦法にハマっていくんだ、とどめだ、岩落とし!」 今までより遥かに大量の岩が振り注ぐ。 「くそ、どうすれば…そうだ、滑るなら動かなければいいんだ!岩にアイアンテール!」 跳ね返された岩はイワークに次々とぶつかり、遂にイワークは倒れた。 「なるほど、岩落としを逆に利用されるとは…完敗だな、これがグレーバッジとわざマシンだ」 のび太はステルスロックのわざマシンとグレーバッジを受けとる。 「わーい!初めてジムバッジを手に入れたぞぉ!!」 「おめでとう、のび太君。それよりもどうしてアイアンテールの技マシンを持ってたの?」 付き添いで来ていたドラえもんがのび太に問いかける。 「トキワの森で拾ったんだよ、それよりももう眠いからポケモンセンターに戻ろうか」 「もう、博物館行こうと思ってたのに…」 やれやれと言うようにドラえもんはのび太の用件を聞きいれた。 「あれ?やっぱりないなぁ…」 「ん?どうしたんだ?」 「いや、バッグに入れてた技マシンがどっか行っちゃって…」 「まぁいいじゃないか、この先いくらでも手に入るし。……ほら、着いたぞ」 男が岩肌にひっそりと建つ建物を指差した。 「これは凄い…!」 建物に入ったスネ夫が驚く。「R」と書かれた黒い服を着た 人達がたくさんいたのだ。 「ようこそ…ロケット団ニビ支部へ」 スネ夫は豪華な部屋へと通された。 「ご苦労…そっちはもう行っていいぞ。…さて、もう気付いてるだろうが、 私の名はサカキだ。君にはロケット団に入ってもらおうと思ってな」 スネ夫は何も喋らなかった。何も喋れなかったというところか、 話がいきなりすぎるというのもあるが、何よりサカキの威圧感により言葉も出なかった。 「もちろんタダにとは言わない、ポケモンは支給するしある程度のサポートもする。 その変わりロケット団の作戦に協力してほしい。協力って言ってもそんなに難しいものじゃない から安心しろ、何か質問はないか」 しばらく間が開いた後、スネ夫の口が動く。 「もし…もし僕がロケット団を辞めたいと言い出したらどうするんだい?」 サカキはすぐに答える。 「もし君がそう言った場合、支給されたポケモンを置いて立ち去れ。それだけでいい。 ただ警察とかに告げ口したら…わかってるな?」 その後スネ夫は大きな部屋へと通された。 「うわぁ…」 そこは部屋一面にモンスターボールが置いてあった。各種タイプ別に分けられている。 「この中から二つ選べ。君はまだ初心者だからそんなに高いレベルのポケモンはあげられないが、 それでも戦略アップには充分すぎるほどだからな」 「は、はい」 スネ夫はモンスターボールの方へと向かった。 「(のび太はピカチュウを使ってきたな…のび太に勝つには地面ポケモンが必要か)」 スネ夫は二つのモンスターボールを手にして男の元へと戻った。 「その二匹を選んだか、なかなかセンスがいいな」 「フフ…これでのび太を…」 男の言葉はスネ夫には聞こえてなかった。 「…まぁ良かったな、それじゃあ、電話番号を交換したいから付いて来てくれ」 二人は部屋を出て廊下を歩き出した。 「やっぱり最初にはこいつを…いて!!」 下を向いて考え込んでいたスネ夫は、前から来た人に気付かずぶつかってしまった。 「糞!何ぶつかってるんだよ!」 スネ夫は相手に悪態をぶつけるが、 「それはこっちのセリフだ!お前が前を見ていればぶつかることはなかったんだ!」 「ふん、僕と同じくらいのくせに偉そうに」 「なんだとッ…」 「ほらほら、あんた達やめなさい。ここで喧嘩しても何の意味もないよ」 二人の喧嘩を一人の少女が仲裁に入る。 「アヒトはすぐにカッとなりやすいから、団員は大切にしなきゃね」 「だってあいつが……ああ、わかったよ」 スネ夫と同い年くらいの二人は去っていた。 「なんなんだよあいつら」 「おいスネ夫、あまりあの二人には関わらないほうがいいぞ」 「え?」 スネ夫は男の言葉の意味がわからないまま部屋に案内された。 部屋に入るとそこは、巨大なスクリーン、数大のパソコンが並ぶやや薄暗いところだった。 「ここがロケット団のオペレータ室だ。そして自己紹介が遅れたが、 俺は此処を担当しているロイドだ。改めてよろしくな」 「ロイドさん…さっきの二人は一体なんなんですか?なんかちょっと生意気な…」 スネ夫の問いかけにロイドがコンピュータをいじくりながら応える。 「あの二人はあの歳だがロケット団の幹部なんだ」 「え゛…」 思わずスネ夫の口から言葉が漏れる。 「二人は元々親がいないらしくサカキ様が引き取って今に至るらしい。 俺が知ってるのはそれだけだ、さぁ、電話番号の交換が済んだぞ」 ロイドがスネ夫にポケモン図鑑を返した。旅に出る時に貰ったこの赤い電子図鑑は、 図鑑の機能だけでなく、ポケモンの技やレベル、更に電話機能も付いてる優れ物である。 「指令の時は俺から連絡が入る。それまではくれぐれも自分がロケット団とバレないように」 わかった、とスネ夫が言い、基地から出て、前方の山を目指して歩き始めた。 「これでのび太にも…いや、他の奴らにも勝てるかもしれないね…」 そのとき岩影から野生のイシツブテが現れた。 「これはウォーミングアップには丁度いいな、いけゴース、ナイトヘッドだ!」 ボールから勢いよく出たゴースは一撃でイシツブテを戦闘不能にする。 「こりゃすごいや、もしかして僕って最強?フヒヒヒヒ…」 怪しい笑みを浮かべながらロケット団の基地を後にした。 スネ夫がニビシティのポケモンセンターに着く頃には、辺りはすっかり暗くなっていた。 「危うくジム戦を忘れるところだったよ」 ポケモンを回復させたスネ夫は、自分の部屋のベッドに座っていた。 トレーナーはポケモンセンターに無料で泊まることができ、食事やシャワーに入ることが出来る。 「ひとまずゴースのナイトヘッドで楽勝かな」 明日の予定を考えていると、突然ポケモン図鑑が音を出した。 「電話だ、もしもし」 「おぅ、ロイドだ。いきなりだが早速指令がある」 数分後、電話を切ったスネ夫は途中で取っておいたメモを見直す。 「10時にニビ博物館、12時におつきみ山をロケット団が襲撃、僕はおつきみ山に加勢する、 襲撃する目的は貴重な化石を奪うため、か……」 スネ夫はメモ用紙をカバンの中にしまった後、ベッドに横になった。 「ジム戦を午前中にやって、その後に行けばいいか……それよりも今日は疲れた……ふあぁあ」 眠りにつくのはそれほど遅くはなかった。 ―次の日、ニビ博物館にドラえもんとのび太が見学に来ていた。 「このポケモンかっこいいなぁ」 あまり興味が無く付き添いで来ただけののび太だが、 展示されてる伝説のポケモンの写真に、釘付けになっていた。 「やっぱりこういうかっこいいポケモンが欲しいよね、ドラえもん」 「……あ、うん」 いきなり話を振られたドラえもんは、少し動揺したが、のび太は全く気付いてないようであった。 「なになに、ホウオウは通常ジョウト地方の伝説のポケモンであるが、 此処カントーでも度々目撃されている。また、もう1匹のジョウトの伝説のポケモン、 ルギアの羽とホウオウの羽は強大な力を持っていると云われている、か……」 ドラえもんはまた考え事を始めた。 「(此処に来れば、何かヒントがあるかもしれないと思ったけど、期待外れだったな)」 その時、館内が慌ただしく揺れる。 「大変だ!ロケット団が襲ってきた!」 「ロケット団だって!?」 二人揃って叫ぶ。だがそれより大きい声で、ロケット団の一人が言う。 「この博物館は我々ロケット団が占拠した!!一般人は直ちにここから出ていけ!!」 拡声機を使った男の声に、辺りはパニック状態となり、逃げ惑う人が後を絶たなかった。 ただ二人を覗いて。 「行こう、ドラえもん」 「うん」 ドラえもんとのび太はロケット団の元へと向かった。 「さぁ、早くそれをこっちに渡せ」 黒く「R」と書かれた服を来たロケット団員は、白衣を着た男を壁際に追い詰める。 「こ、これは珍しいポケモンの化石なんだ。お前らみたいな奴に悪用されてたまるか!!」 「じゃあ余計にそれを渡してもらわなきゃならないようたな」 団員が腰のボールに触れたとき、 「待て、僕が相手だ!」 青い狸…じゃなくて猫型ロボットと、眼鏡をかけたひ弱そうな少年がやってきた。 「さっさとここから出ていけ!さもないと……なんだっけ?」 「もうのび太君は黙ってててよ」 二人の呑気な会話に、 「畜生ふざけやがって、ロケット団の恐ろしさを思い知らせてやる。いけ!」 二つのモンスターボールからはコラッタとサンドが現れた。 「ぎゃああネズミぃい!!……ええい!」 ネズミにおののきながらもドラえもんはイーブイを、のび太はピカチュウを出した。 一番最初に動いたのはピカチュウ。電気ショックをサンドに放つも全くダメージを与えられない。 「あれ、なんで効かないの?」 のび太が不思議に思ってる横で、 「(まずい、のび太君はあの見た目からタイプがわかってないんだ、ここは…) のび太君、僕はサンドを、君はコラッタを攻撃してよ」 「わ、わかった」 その後の勝負はあっという間だった。 最初ののび太の大失敗以外はレベル差により有利に進み、見事勝利を納めた。 「どうだ、僕達の勝ちだ!もう迷惑かけないで早くここから出ていけ!」 のび太の言葉に団員は、 「……フヒ…フヒヒ……フハハハハハハハハハハハ」 いきなり笑い出す。 「な、なんで笑ってるの?」 「フフフ……俺が負けたって?なにより負けたら出ていくルールなんてあったかな?おい、お前ら!」 団員が指をパチン、と鳴らすと部屋にドドドと黒い服を来た人達が入ってきた。 それぞれ手にモンスターボールを握っている。 「こんなに一杯…卑怯だぞ!」 「そうだそうだ!」 講義をするドラえもんとのび太を見た団員は腰に手を当てて、 「やれやれ、卑怯だって?最高の褒め言葉だねぇ。じゃあおとなしくおねんねしてもらおうか」 周りの団員が一斉にボールをかまえる。 「ど、どうしようドラえも~ん、こんなに一杯いたら勝てないよ~」 「そんなこと言ったって、ああこういうときに……」 二人は軽いパニック状態にあった。 誰もが襲わると思った、その時―― 「……と、その前に。ちょっと取引をしようじゃないか」 次へ
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のび太「ドラえもん……あのね」 ドラえもん「君の言いたい事はわかる、把握した」 僕が話そうとしたことをドラえもんは即座に止めた。 長い仲だ、お互いの考えていることは大体分かる。 ドラえもん「ほら、ポケモンの世界に行きたいんだろう?」 ドラえもんはポケットから道具を取り出した。 いったい何だか良く分からなかったが別によかった。 のび太「流石だ、ドラえもん」 愛想の欠片も無い会話を終えた後、僕はいつのも空き地へと向かっていた。 皆も誘うと思ったのだ――― スネオ「で、ボク達がポケモンの世界に行くと?」 スネオは僕の話を聞いた途端にすぐに聞いた。 のび太「もちろんだよ、ドラえもんの道具で遊びに行くんだ」 今度はジャイアンが話しかけてきた。 ジャイアン「じゃあ俺も行かせて貰うぜ」 のび太「いいとも、人は多い方が良いし……後はしずかちゃんだ!」 ジャイアンのスネオに話を終えた後、僕はしずかちゃんの家に走っていった。 のび太「しずかちゃ~~ん!!」 静香「あら、悪いけど私これから習い事………」 玄関を開けながら叫んだけどしずかちゃんの一言で僕のテンションは崩壊した。 ………僕はとぼとぼと帰路に着いた。 (ん?……あんまりアイツは呼びたくないけど仕方ないな……出木杉を呼ぼう!) 今度は出木杉の家へと走り出した。 肺が爆発するかと思った。 ドラえもん「……これで全員?」 狭い部屋に男たちが集結する。 ……学校のマドンナは居なかった。 のび太「あぁ……それよりドラえもん、早く行こう!」 ドラえもん「ん、待って………そう、これ!」 ドラえもんは後ろの方から道具を取り出した。 これがポケモンの世界に行く鍵だ。 ドラえもんがカチカチと短く操作した後、僕たちは新しい世界に立っていた。 ……ポケモンの世界だ。 ドラえもん「あ、とりあえず皆冒険しに来たんだよね?それじゃあ…… この図鑑とランダムに選ばれたボールだよ」 ドラえもんはまたもポケットからボールとポケモン図鑑を取り出した。 僕たちは色様々なボールを受け取り、中身を見ようとした。 出木杉「ちょっと待って……自分の手持ちを見られるのは少し嫌だな……」 ジャイアン「俺は別に……」 スネオ「ジャイアンにはデリカシーが無い」 次の瞬間ジャイアンはスネオに馬乗りになっていた。 スネオとジャイアンを放置して僕らは話を進めた。 のび太「え~と……この世界のルールとしては、 誰かがチャンピオンになればゲーム終了なんでしょ?」 ドラえもん「その通り、……でも誰かがチャンピオンにならないと 帰れないんだ……」 出木杉「それなら僕が勝って見せるよ……」 くそぉ~出木杉め……こんな時こそ格好良いんだから……。 ドラえもん「じゃ、皆バラバラになって行くよ!」 ドラえもんの掛け声と共に僕らは始まりの地を後にした。 のび太「………で、このシンオウ地方には珍しいポケモンがいっぱい居る訳なのね」 僕は各地に居る人たちから情報収集していた。 ……正直恥ずかしい。 のび太(そうだ……まだポケモンを見てなかったな……) 僕は人気の無い所にまで来ていた。 此処に来ればどんな凶暴なポケモンでも特に被害は無いだろうな。 モンスターボールを空けた瞬間僕は腰が抜けることになる。 のび太「あわわわわわわ………何でこんなポケモンがボールに……!」 僕のボールから出てきたのは緑色の体、体に描くようにある黄色い線 長い尾と体、目は赤い……何処かで見たことがある龍のポケモンだ。 のび太「………これレックウザってポケモンだよね……… あっ!は、早く確認しなきゃ…!」 僕は慌てて図鑑を開けた。 しかしレックウザと入力し、検索しようと思ったところで気がついた。 のび太(確かレックウザはホウエン地方のポケモンだから…… このシンオウ図鑑にあるはずが……) またも僕は驚くことになった。 のび太「図鑑説明が有る…………つまりこれは全国図鑑……!」 僕はパニックに陥った。 目の前にはとぐろを巻いた巨大な龍。 手には有る筈も無い物を握っている。 のび太(落ち着け、僕……このレックウザが使えれば僕は…… ジャイアン達にも復讐できる!) 僕の心に黒い考えが浮かぶ。 のび太「レックウザ!ドラゴンクローだ!……ってあれ?」 レックウザは僕の言うことを聞かずに居眠りを始めた。 まさか……こいつは人から貰ったポケモンなのか? 僕は少しガッカリした。 まぁ晴れて僕は一人だけ伝説のポケモン(しかもレベルが半端無い)を 従えることに成功した。 でも使えない……… とりあえず使えないレックウザをボールに戻し今日は宿で眠ることにした。 ジャイアン「こ……これが俺のポケモン……」 俺のボールから出てきたのはカバだ、カバ。 ジャイアン「こんなマヌケそうなポケモンが俺のパートナー………」 正直ガッカリした。 もっと格好良くて強いポケモンだと思ったのに……… 俺はため息をつきながら宿に帰ることにした。 まだ昼だが何か疲れた。もう寝よう。 一方スネオは2人とは違い、先へ進んでいった。 スネオ「僕のパートナー、フカマル……とんでもないポケモン貰っちゃったなぁ……クフフフ」 自分でも分かるほど笑いが止まらない。 さっき除いていたがあのジャイアンはカバだカバ。 ボクのドラゴン……もといフカマルが負けるはずも無い。 そして何より…進化したらかの凶暴なガブリアスになる! スネオ「遂に僕にも運が来たぁぁあああああ!あのジャイアン共を叩きのめしてやるんだ!」 ボクは快調に飛ばし、コトブキシティまで進むことができた。 現在状況 のび太 レックウザLv90 ジャイアン ヒポポタスLv5 スネオ フカマルLv9 ドラえもん ? 出木杉 ? 注釈 主人公の圧倒的最強を目指したとの事 もちろんレックウザを操ることは現在は不可能… ドラえもん「……ペンギン……」 ボールから出てきたのは僕そっくりのポケモンだ。 図鑑で確認したところポッチャマというらしい。 ドラえもん「水タイプのポケモンか……水タイプの優遇っぷりは凄いからな……」 弱点2つ、抵抗4つと基本的に優れているタイプだ。 ドラえもん「まぁ…しばらくは安心出来るだろ」 僕は始まりの地を後にし、コトブキへと向かった。 出木杉「で……この筋肉野郎が僕のパートナー……」 僕のボールから出たポケモン、それは筋肉隆々のワンリキーだ。 知的な僕には似合わないが……まぁ良いだろう。 1つ目のジムは簡単にクリア出来そうだ。 大体ポケモンは道具でしか無い……ジム毎に有利な手持ちに変えればそれで済む 四天王戦でも言える事だ。 出木杉「せいぜい楽しみながら行きますかね?」 ぽつりと吐き、また歩き出した。 傍らには後に捨てられる事になるワンリキーが居た。 ジャイアン「カバだけど頑張るか……」 ようやく決心が着いた。 しかしもう正午を軽く過ぎた。 一日中寝ていたようだ。 ジャイアン(大体ドラえもんのボールが不公平なんじゃないか?…ったく) 実はその通りである。 現にのび太はレックウザを手にしているわけだから。 俺は皆との遅れを取り戻すために急いで街へと向かっていた。 スネオ「そんなに急いでどうするんだい?」 俺を引き止めたのは俺が良く知る人物、スネオだ。 ジャイアン「お前……何の用だ?」 スネオ「折角何でバトルでも…と思いましてね」 スネオはやけに気持ち悪い口調だ。 俺に勝つつもりで居るのか……? ジャイアン「良いだろう、お前をギッタギッタに叩きのめして俺の配下にしてやる」 スネオ「そんな役回りはもう面倒何だよ!行け!フカマル!」 スネオのボールからは見たことも無いポケモンが繰り出される。 ジャイアン「俺に口答えするつもりか!?殺してやる!行け!ヒポポタス!」 スネオ「ひゃーーーwwwやっぱりカバだぁwww」 スネオは腹を抱えて笑い出した。 くそ……絶対に殺してやる! ジャイアン「速攻で殺せ!噛み付くだ!」 スネオ「そんな力押しじゃあボクには勝てない、砂掛けで命中率を下げろ」 小賢しい攻撃だ……。 俺のヒポポタスはどんどん視界を奪われていく。 スネオ「攻撃当たらないんだねwwじゃ、サヨナラ」 スネオの命令の後にあのポケモンがヒポポタスに止めをさした。 ジャイアン「そんな……俺が負けるなんて……!」 俺はその場に立ち尽くしていた。 スネオ「いや~やっぱり馬鹿だったねジャイアンは~」 ボクは優々とコトブキシティを歩いている。 今は清々しい気持ちだ…何せあのジャイアンをボクの手でやっつけたのだから。 スネオ(まさかヒポポタスの特性も知らなかったとはね…… こっちは最大限に利用させて貰ったのに 良い金蔓が出来たかもな……クフフ アハハハハハハッハハハハハハハハ) 最後の方は声に出てしまった。 周りの人たちがボクを避ける様に歩いていく。 スネオ「何だい!ボクが未来のチャンピオンと言うのに……まぁいいかな」 ボクは次の街、そしてジムの在る場所、何とかシティとやらに進んでいた。 もう名前は覚えてられない。 のび太「言うこと聞けよこの蛇野郎!」 ………また居眠りを始めた………。 のび太「くそぉう!何で僕の言うことが聞けないんだ!…… もし聞いてくれたら僕が一番なのに!」 まったくその通りだ。 レベルさえ半端無いのに今前に居るポケモンはあくまでも伝説のポケモンだ。 一度暴れでもすれば街の一つや二つは軽く破壊出来る程の力の持ち主だと言うのに――― 僕はただひたすら惨めな思いをしていた。 コイツが言うことを聞いてくれないと何時まで経っても先へ進めないからだ…… はぁ……鬱だ。 現在状況 のび太 レックウザLv90 ジャイアン ヒポポタスLv9 スネオ フカマルLv10 ドラえもん ポッチャマLv8 出木杉 ワンリキーLv9 ジャイアン「糞…!スネオの野郎……!この俺様を負かすだと!?」 俺は一人立ち尽くしている。 悔しくて…悔しくて堪らない。 ジャイアン「絶対…!今度こそは勝ってやる!」 決意した途端声を掛けられた。 出木杉「うるさいんだよ、武君」 ジャイアン「…出木杉……!」 ジャイアン「今俺に突っかからない方が身のためだぜ…」 出木杉「スネオ君ごときに負けたくせにかい?」 ジャイアン「何だと…!?勝負だ!行け、ヒポポタス!」 頭に一気に血が上る。 後先考えないでの行動だった。 ジャイアン「また…負けた……」 俺は四つん這いになり挫折のポーズを取る。 出木杉「良い経験値にはなったよ、じゃあね」 出木杉はそう言い残すとコトブキへと歩いていった。 ジャイアン「次は…次こそはっ!」 俺は日が暮れそうな空に叫んだ。 のび太「もう嫌だ…死にたい…ハァ……」 2日間もこんな感じだ。 いい加減嫌気がさす。 のび太(でも偶に言うこと聞くからな……案外行けるのかも…) 確かにレックウザのレベルは高いし、能力値も高い。 序盤の敵にやられるはずもない。 少し自信が沸いて来た。 僕の予想通りだ。 時間は掛かるものの、 殆ど1発の攻撃で済んでしまう(その代わりレックウザの周りは焼け野原になるが) のび太(行ける…これならジャイアン達にも勝てる!) 僕がそう思った矢先、一番会いたかった人物が現れた。 ジャイアンだ。 ジャイアン「のび太か…のび太ならヘタレだし……勝てるな…」 ぼそぼそと呟くジャイアン。 何かあったんだろうか……いつもの元気が無い。 ジャイアン「やい、のび太!俺様と勝負だ!」 のび太(レックウザ使ったらジャイアンどうなるかな…… でも此処で使えばジャイアンに少なからず僕が強いということを示せる!) 実際僕がレックウザを使うとなるとジャイアンの口からドラえもんへ そしてボールは奪い取られる……そんなことはちっとも考えもしなかった。 のび太「良いよ」 ジャイアン「じゃあ行くぜ!行け!ヒポポタス!」 慣れた様に叫ぶジャイアン。 …練習でもしたんだろうか? のび太「怪我しても知らないよ?」 ジャイアン「何言ってやがる!早くポケモンを……」 ジャイアンは今にも沸騰しそうだ。 僕は慌ててベルトからボールを掴み取った。 のび太「行け、レックウザー」 拍子抜けな掛け声と共に現れたのは伝説のポケモン。 ジャイアンは腰を抜かしそうだった。 のび太「後は好きにやってくれ」 ジャイアンはもう真っ白に燃え尽きていた。 ……立ち直れるのかな…… ふと疑問が過ぎるが僕は先へと進みだした。 ジャイアン「もう…やだ……」 ドラえもん「ポッチャマ!泡攻撃だ!」 ポポポポと音がし、ポッチャマの口からは大量の泡が噴射される。 ドラえもん「よし!コイツは倒したぞ!」 僕は今砂浜で修行している。 ここなら人もあまり居ないしのび太君達と出会うことも無い。 もし出会ったらすぐにバトルを申し込まれるだろう…… 僕はポケモンバトル…特に対人戦は少し嫌いだった。 ドラえもん(ん?……雲行きが怪しいな…そろそろ帰ろうか) さっきまで良い天気だったのに急に空が黒くなる。 暗雲…って奴なのか…? ドラえもん「ポッチャマ、戻れ」 短く言い、ポッチャマをボールに戻す。 しかしその間にも天候はどんどんと狂っていく。 今度は雷まで鳴り始めた。 ドラえもん「早く帰ろう…」 早歩きで砂浜を離れようとした時だった。 急に海の波が僕に向かってきた。 ドラえもん「え、ちょ…うわぁぁあぁぁあ!!」 僕は海に飲み込まれた。 そこから意識は無い…………… 現在状況 のび太 レックウザLv90 ジャイアン ヒポポタスLv9 スネオ フカマルLv11 ドラえもん 行方不明 出木杉 ワンリキーLv12 次へ
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のび太「ドラえもん・・・こんなところに居たんだね・・会いたかったよ・・・ドラえもーん!」 あの日別れ、ずっと探していた友に会えたのび太の心は嬉しさが埋め尽くしている、 嬉しさのあまり、ドラえもんに抱きつこうとしたが・・・対するドラえもんは飛びつこうとするのび太を拒否するかのように殴り飛ばした のび太「いたたた・・・ど、どうしたんだよドラえもん!僕だよ、のび太だよ!」 ドラえもん「のび太・・?ドラえもん・・?私の記憶にはないな・・・」 のび太「な・・何を言ってるんだよ!君の名前はドラえもん・・僕はのび太だよ!?」 ドラえもん「私に名前など無い・・ただロケット団に忠誠を誓う者・・・そして貴様の名前など知らぬ、会うのも初めてだ・・」 この衝撃の言葉にのび太は絶句した、久しぶりの親友はのび太の名前どころか、自分自身の名前さえ覚えてないと言う 言葉を失ったのび太にこんどはドラえもんが話を切り出す ドラえもん「無駄話は終わりにしよう・・・早く貴様を始末せねば幹部様が気を悪くする」 のび太「な、何を・・・」 ドラえもん「行け・・・ペルシアン!」 のび太「くっ・・・頼むオコリザル」 襲い掛かるペルシアンをオコリザルが受け止めた ドラえもん「押しつぶせ!ペルシアン」 オコリザルとペルシアンはほぼ互角の押し合いを続けている のび太「そうだ!解ったぞ・・・ドラえもんも出来杉に操られてるんだ、ドラえもんが僕を忘れるわけない!そうに違いない!」 僅かに冷静さを取り戻したのび太はドラえもんが操られてると考え、ドラえもんを正気に戻す方法も考えた のび太「同じように操られたスネオはジャイアンに殴られて解放された・・・なら同じようにすれば!」 方法を考え付いたのび太は早速実行に移した のび太「まずは・・・影分身だ!」 ペルシアンとつば競り合い状態になっていたオコリザルは影分身でペルシアンの爪をかわし、ドラえもんに突っ込んだ のび太「ゴメンドラえもん・・・からてチョップだ!」 オコリザルのからてチョップはドラえもんの脳天を捕らえた、これで記憶を取り戻すはずだが・・・ ドラえもん「ぐぐっ・・・おのれえ!」 のび太「戻らない!?何で・・・」 必死ののび太の願いも虚しく、ドラえもんは鋭い目つきでのび太を睨みつけている・・ 一方、出来杉はエレベーターで最上階を目指していた 出来杉「ついにこの日が来たか・・・アレが手に入れば僕は・・・ふふふふ・・」 誰もいないエレベーターで一人、静かに笑っていた 間もなく最上階につき、サカキのいる部屋の扉を震える手で開けた 出来杉「お待たせしましたサカキ様、幹部です」 サカキ「来たか、入れ」 部屋の中央には、ニヤニヤと笑い顔のサカキが椅子に腰掛けていた サカキ「気になることがあるのだが・・・お前の代わりに侵入者と戦っているというのは誰だ?」 出来杉「ロケット団の戦闘兵器でございます」 サカキ「戦闘兵器?」 出来杉「この前アンズさんが捕らえてきた青狸型ロボットです、私が少し改造して我がロケット団の僕にしました」 サカキ「ああ・・・話には聞いている、だが裏切る危険性はないのか?」 出来杉「御心配なく、奴の記憶のメモリーを書き換えておきましたから、以前の記憶はありませんし戻ることもありません」 サカキ「そうか、ならば良い」 出来杉「ところでサカキ様・・・例の物は・・」 サカキ「ふふふふ・・・焦るな、ここにある」 すると懐からその「例の物」を取り出し出来杉に手渡した 出来杉「これが・・・マスターボール・・」 両手でボールを握り締め確認した サカキ「手に入れるのは苦労したぞ、此処の社長はなかなかの頑固者でな・・何度も拷問しやっと手に入れた・・・で、どうしてこれを欲しがる?」 出来杉「ふふふふ、貴方が知る必要はありませんよ・・・前ロケット団総帥さん・・・」 サカキ「出来杉・・貴様今何を言った?前ロケット団総帥?・・この意味を言うんだな」 そう言って腰のボールに手をかけようとするサカキを出来杉が静止させた 出来杉「おっと、動いちゃいけませんよ・・・動くと僕のサンダースのミサイル針が貴方を貫きますよ?」 いつの間にか出来杉の足元には毛を逆立てたサンダースが現れていた サカキ「ふふふ・・・これは何のまねだ?」 出来杉「何のまねと聞かれましても困りますね、初めからこうするつもりだったんですから」 サカキ「・・・目的を聞こう」 出来杉「何も難しいことはないですよ、今日から僕がロケット団を統一する・・・それだけです」 サカキ「なるほど、私を殺してロケット団を乗っ取るつもりか・・・」 出来杉「ご名答、この組織は僕が新しく立て直す、貴方はこのマスターボールを手に入れるために僕の手で踊らされていたんですよ」 サカキ「何故そのボールにこだわる?どうしても欲しいポケモンでもいるのか?」 出来杉「貴方が知る必要はないと言ったはずだ・・・それよりも貴方は僕にロケット団のボスの坐を譲ると言いなさい」 サカキ「私の後継者か・・・いつかは現れるだろうな・・だが」 口調をどんどん強くしていきながら話を進める サカキ「それにはまだ早い!」 出来杉「それは殺してくださいと言っているのと同じですよ?命が惜しくないんですか」 問いかけられたがサカキはふふっと笑うだけだ 出来杉「なら試してみましょうか?サンダース、ミサイル・・・グワッ!!」 突如出来杉の背中に激痛が走り、痛みに耐えられなくなった出来杉はその場に倒れこんだ 自由の効かなくなった体では後ろを見れず、視線だけで後ろを見た 出来杉「ペ・・ペルシアンだと?」 サカキ「残念だったな出来杉、あと少しだったのにな・・・」 哀れなものを見る目で倒れた出来杉を見下ろしている サカキ「このペルシアンは私のペット用のポケモンだ・・・普段からボールに入れていなかったのが幸いしたよ、この用に非常時でも動けるからな」 出来杉「くそ・・こんなところで・・・僕の計算が狂うだと・・?」 サカキ「さあどうする出来杉?一気に立場逆転だな」 出来杉「く・・サンダース、ミサイル針だ・・」 サンダースのミサイル針はサカキ目掛けて飛んでいったが・・・ サカキ「サイホーン!」 ボールから飛び出したサイホーンがサカキの盾になり、ミサイル針は堅いサイホーンの体に阻まれた サカキ「今ので最後か?なら楽にしてやろう」 出来杉「させるか・・・サンダース、交代を・・」 痛みに耐えながらヨロヨロと立ち上がり、ポケモンの交代をしようとしたが・・・ サカキ「無駄よ、角ドリルだ」 サイホーンが角を立てて出来杉に突っ込んできた 出来杉「間に合わない・・・くそ・・!」 とっさに目を瞑り、死を覚悟した だが痛みはない、恐る恐る目を開けるとサイホーンは出来杉のすぐ横の壁に大きな穴を開けていた サカキ「出来杉よ・・お前は賢い、ロケット団の有能な人物だ・・・だが」 目を鋭くし次を言う サカキ「賢くなりすぎると人は愚かな行動にでるものだ、もうお前は使えないな・・・代わりに・・最後に華々しい最後をくれてやろう」 出来杉「そんなもの・・お断りだ!・・・ぐわああ!!!」 サイホーンは出来杉に突進を食らわし、先ほど開けた大穴に出来杉を吹き飛ばした 当然・・・下には地面が広がっている、そして出来杉はそこ目掛け勢い良く落ちていくのだった 出来杉「馬鹿な・・・僕はこんなところで死ぬのか?・・あと一歩で・・・夢が叶ったの・・に・・・」 それを最後に、最上階から突き落とされた出来杉は頭から落ちて行った・・・ サカキ「ふふふ・・貴様の死を見るのは忍びない、死は見届けないでやろう・・・はっはっはっは!」 出来杉が落ちていった大穴を背にサカキは高々と笑いだした・・ その頃のび太達は・・・ のび太「オコリザル、乱れ引っかきだ!」 ドラえもん「ペルシアン!切り裂くで押し返せ!」 オコリザルはペルシアンの切り裂くに吹っ飛ばされる ドラえもん「空からも攻めよう、オニドリル!ドリル嘴だ!」 空から勢い良く突っ込むオニドリルはオコリザルをドリル嘴で仕留めた のび太「くっ・・ライチュウ、オニドリルに10万ボルト!」 ドラえもん「隙だらけだ、ペルシアンやれ!」 空ばかり意識するライチュウをペルシアンが攻撃する のび太「ペルシアンからの攻撃にも気をつけるんだ!」 ドラえもん「ならこんどは空から攻めよう」 オニドリルがライチュウを襲う のび太「うっ・・これじゃどっちにも攻撃できない・・・どうすれば?」 そう考えたその時、のび太の後ろからリザードンが飛んでいきオニドリルと対峙した ジャイアン「手を貸すぞ・・のび太」 のび太「ジャイアン!破壊光線を受けた後なのに・・・」 ジャイアン「もう治った!それより行くぜ!」 ドラえもん「新手か!だが戦いの優勢は変わらない、そのまま空から攻め続けろ」 ジャイアン「じゃあ空を飛べないようにしてやるぜ!リザードン、天井に火炎放射だ!」 リザードンの放つ火炎放射は天井を燃やし、炎は天井いっぱいに広がった ジャイアン「これで空を飛べないだろう、戦法が崩れたな!」 ドラえもん「くそ・・面倒な・・・」 ジャイアン「よしオニドリルはリザードンに任せるぜ!ペルシアンには・・ゴーリキーだ!」 ドラえもん「ペルシアン、切り裂くだ!」 ジャイアン「この野郎・・・かまわず攻撃しろ!」 ペルシアンの攻撃を振りほどきながら攻撃するが思ったようなダメージは与えられない ジャイアン「パワー不足か・・進化でもさせておけば良かったかな・・・」 一方スネオ達 スネオ「ゴローン!メガトンパンチだ!」 アンズ「ベトベトン、とける!」 防御を上げたベトベトンにメガトンパンチはいつも以上の効果を発揮しない スネオ「くっ!進化すればこれくらいなんとかなるのに・・・!」 この言葉を聴きジャイアンとスネオが顔を合わせた ジャイアン「へっ・・・言わなくても解るな?」 スネオ「仕方ないな、通信だ!」 2人はポケモン図鑑を出し交換を始める アンズ「何をしている?戦いの最中だぞ」 スネオ「もう少しだ早く早く・・・来た!」 ジャイアン「来たぜ!スネオ、ゴローニャを借りるぜ!」 スネオ「OK!僕も借りるよジャイアン!」 双方とも、交換しあったポケモンでベトベトン、ペルシアンを撃破した ドラえもん「くそ!」 ジャイアン「よし!突破口を開いたぜ!スネオ、ゴローニャ返すぜ、お前のポケモンにしちゃ中々だったぞ!」 スネオ「ありがとう、ジャイアンの筋肉パンツも強かったよ」 うっかり口を滑らせたスネオにジャイアン 筋肉パンツ(カイリキー)の怒りの鉄拳が飛んだのは言うまでも無い のび太 ギャラドス(レベル45)、ライチュウ(レベル43) 、オコリザル(レベル40)、スリーパー(レベル40)、カビゴン(レベル41)、メタモン(レベル39) ドラえもん ペルシアン(レベル53)、オニドリル(レベル49)残り不明 ジャイアン リザードン(レベル57)、ウツボット(レベル48)、カイリキー(レベル44)、サイドン(レベル42)、ガルーラ(レベル37) スネオ カメックス(レベル57)、ゴローニャ(レベル45)、キュウコン(レベル45)、モルフォン(レベル41)、ストライク(レベル41) しずか フシギバナ(レベル69)、プクリン(レベル55)、ピクシー(レベル54) 、ドードリオ(レベル53)、ナッシー(レベル52) 出来杉 死亡?
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前へ 舞台は戻って、ヒワダタウン。 人よりも大幅に遅れをとっていたのび太とドラえもんも、ようやくここまでは到着していた。 二人の話し合いの結果、早速ジムに挑戦しようという事になった。 こちらは3個目どころか、やっと2個目のバッジである。 ジムに挑戦する順番については、直前にワニノコが進化して有頂天になっていたのび太が、 「僕が最初に行くよ!」 と名乗りを挙げて、ドラえもんはのび太の挑戦の後に挑戦する事になった。 のび太のジム戦は、ようやく龍の舞の使い方が解ってきたのび太が、またもや運にも恵まれて快勝した。 そして今、ドラえもんがジムに挑戦する番がやって来たのである。 「じゃ、じゃあ僕も行ってくるからね。 ちゃんと待っててね、のび太君」 のび太に確認の挨拶をしたドラえもん。 のび太は、楽観的な感じでそれに応える。 「大丈夫、大丈夫。 それに、ドラえもんなら、ジム戦なんてすぐに終わるさ!」 「そ、そうかな!? まあ頑張ってみるよ!」 のび太におだてられ、ドラえもんの表情は少し明るくなる。 こうして、ドラえもんはジムの中へと進んでいった。 「ごめんくださ~い。 ジムリーダーの人はいますか~?」 ドラえもんがそう声をあげると、ジムの奥の方から声がした。 「おっ、また挑戦者かい? ……っと思ったが違うようだな。 色違いのビーダルかなんかが紛れ込んできちゃったのか。 ここは君の住処じゃあ無いから帰りな」 この声の主は勿論、ジムリーダーのツクシである。 「僕はビーダルじゃない! ドラえもん、猫型ロボットだ!」 そしてドラえもんがすかさず反論する。 お決まりのパターンである。 「ドラエモン? まさか、鼠に耳をかじられて、ヤケ酒かまして変色したっていう、 あのドラエモンか?」 余談だが、ドラえもんのこのエピソードは、未来でネタにされている。 有名なコピペとして、様々な形で、多くの人々に知れ渡っていたりするのである。 ……但し、コピペ改変前の内容、つまりは元ネタが、正確に伝わっているケースは珍しいとされている。 それは、今ドラえもんの目の前にいる人物も、例外ではなかった。 「僕はヤケ酒なんてしてない! 適当な事を言うな!」 「おっかしーなー、じゃあ偽物か? まあ、いいか。 で、何だ? そのドラエモンもジム戦をしに来たのか?」 「そうだ! ジムリーダーの貴方に挑戦しに来たんだ!」 ドラえもんはかなり苛々しているが、その怒りは抑えて要件を告げる。 「よし、言いたい事はよーく分かったぞ、うん。 じゃあ早速だが、ジム戦を 始 め よ う か 出てこい、俺のトランセル!」 ドラえもんは、要件がツクシに伝わったのを確認して一安心する。 しかし、バトルが始まったので、すぐに頭の中を切り替える。 「よーし! 頑張ってくれ、コイル!」 それからしばらくして、トランセルとコクーンが破られたツクシが、最後のポケモンを取り出す。 「行けェ! ストライク!」 「あ、いよいよ敵の大将がお出ましだね。 コイル、あと少しだ、頑張れ!」 ドラえもんはそう言って、コイルに傷薬を投与する。 尤も、コクーンの毒針を一度喰らっただけのコイルには、特に様子に変化は見られ無い。 「ストライク、連続斬りだぁぁああぁ!」 「コイル、電気ショックゥゥウ!」 やけに熱い二人。いや、熱いのは二人だけでは無い。 しかし、それに二人が気づく気配は無い。 バトルは続く 電気ショックをダイレクトに喰らい、もう後が無いストライク。 それに対し、まだまだ余裕しゃくしゃくのコイル。 バトルは早くも、大詰めという空気を醸し出している。 「ストライクゥゥウウゥ! もう、斬るしか無いんだぁぁああ! 行けぇええ!」 「コイル、電気ショックを撃てえええ! トドメをさすんだぁあああ!」 鬼の様な形相で斬りかかるストライク。 コイルも、それに負けじと電撃を放って応戦する。 そして―― 「負けたよ」 結局、最後まで立っていた、いや浮いていたのは、大方の予想通りの結果だった。 そう、ドラえもんのコイルである。 しかし、タイプの相性の壁を超えた熱戦に、トレーナーの二人は燃え尽きたような顔をしている。 「よし、じゃあジムバッジと技マシンをやろう。 受け取りたまえ」 そう言われて、一礼をしてから戦利品を受け取るドラえもん。 そして、すっかりバトルで打ち解けた二人には、奇妙な友情が芽生えていた。 「ありがとうございます。 しかし、それにしても暑い! これはどうなっているんだ!」 「なーに、ドラエモンとのバトルが熱かっただけさ。 いい事じゃないか」 「ですよねー。アハハハハ」 ……。 …………。 「で、俺は言ってやったんだ。 『もう一度ジムバトルを や ら な い か 』ってな。 それなのに、その挑戦者はすっ飛んで逃げて行きやがったんだ。 そんなに俺のトランセルが嫌だったんだろうか?」 「アハハハハ。でもそれトランセル関係無いと思うけどなあw じゃあ僕は外でのび太君が待っているから、そろそろ行かなきゃ。 ツクシさん、また会いましょう!」 「おう、これから先は長いだろうが頑張れよ」 「ハイ!」 ツクシと暫くの間世間話をしたドラえもんは、名残惜しそうにジムを後にする。 しかし、ジムを出たドラえもんの目の前には、ツクシとの和やかムードを一瞬でぶち壊すような光景が広がっていた。 「あ、遅いよドラえもん!」 ジムから出て来たドラえもんに、一目散に駆け寄ってきたのび太。 その顔からは、焦りのようなものが見られる。 「のび太君、これは一体何が起こっているんだ!?」 「何がって、見ての通りだよ! ドラえもんがジムに入ってからすぐ、この火事を見つけたんだ! ワニノコの水鉄砲で消そうとしたんだけど、全然消えないんだ!」 見ると、辺り一面に炎があがっている。 炎の勢いはかなりのもので、少し話していた間にもドンドン大きく広がっていく。 「水鉄砲で消えないって事は、タダの火事じゃあ無いって事だね。 これは何だろう……? 炎の渦……かな? まあとにかく消さないと! これ以上火が広がるとマズい!」 即決で結論を出したドラえもん。 しかし、珍しくまともなのび太の意見に、その結論は否定される。 「消すってどうやるんだよドラえもん! 僕のワニノコがいくら頑張っても消えないし、ドラえもんのコイル一匹じゃどうにもならないだろ!」 気まずい雰囲気になる二人。 それは周りにも伝染し、村全体が重い雰囲気になっていく。 しかし、その間にも火はどんどん広がっていく。 村の周りの木が勢いよく燃え続けるのを、誰も止められずにいた。 そこで、この様子を打開しようと、野次馬の一人が案を思い付く。 「こうなったら『拡声器』を使って助けを呼べば……」 「それだ!」 「でも誰か拡声器を持っているのか?」 「こんな事で、有料アイテムの拡声器を使うのはなあ…」 再び村全体に沈黙が流れる。 しかし今度の沈黙は、長くは続かない。 「パラス、あの木の陰に向かって痺れ粉だ!」
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のびたとドラえもんは居間でポケモンのアニメを見ていた。 のび「いけ!ピカチュウ!そこそこ!」 ドラ「やれやれ!」 のび・ドラ「やったー!かったぁ!!」 のびたはポツリと呟いた 「あーあ…実際にポケモンがいたら楽しいだろうなぁ…」 ドラえもんはのびたの願いを叶えてやろうと思った 翌日、未来デパート ドラ「えーと…どこにあるのかなぁ…あぁ、あったあったこれだ [ポケモンマスターを目指す旅]」 店員「46838万円になりまーす」 ドラえもんはのびたに見せてやろうと大急ぎで現代ヘ戻った のびた「あーあ…暇だなぁ…目が冴えちゃって寝れないや」 「ガラ」 のびたの机の引き出しが開いた 「あぁドラえもんどこ行ってたの?」のびたは言った 「フッフッフ…のびたくんこれをみろ!」 ドラえもんは不敵に笑いながら先程買った品物を差し出した 「ポケモンマスターを目指す旅…?ドラえもん!覚えててくれたの!」 「うん!みんなを連れてきなよ!」ドラえもんは言った 「わーい!ありがとう!ドラえもん!」 30分後 「みんな集めた?」 ドラえもんはのびたに尋ねた 「これでみんな集まったよ」のびたは元気よく答えた 「この蓄音機に自分達の自己紹介をしてくださいだって」 ドラえもんはポケモンマスターを目指す旅の説明書を読み上げた 「俺様の名前はジャイアン!力自慢で歌が得意だ!」と巨漢の少年が言い放った (ただの乱暴者だろっ)とのびたは心の中でジャイアンを皮肉った 「僕はスネオ。お金と知恵は人一倍あるよ」と口の尖んがった少年が言った (ずる賢いマザコンがっ)とまたまたのびたは皮肉った 「私は源静香。取り柄はないけど可愛いものが好きだわ」と整った顔立ちの少女は言った (君は取り柄しかないじゃないかしずかちゃん…)とのびたはハァハァした 「僕はドラえもん22世紀から来たネコ型ロボットだよ」 (どっちかっていうとタヌキ…ww)とのびたは心の中で笑った 「あとは君だけだよのびた君!」ドラえもんが急かす 「僕はのびた特技は射的と昼寝くらいかな」 「情けない奴www」スネオとジャイアンは笑った (い…今に見てろよ馬鹿どもめっ!お前らなんか…)のびたは嘲笑した 「それじゃあみんな、いいかい?」 ドラが尋ねる 一同「オッケー!」 ドラえもん「それじゃあ、ポケモンの世界へレッツゴー!」 ジョウト地方-ワカバタウン- 「ここは一体どこだ??」 回りには森しかなく、所々に建物が点在している感じだ のびたは辺りを見回す 「アッー!」 スネオが何かに気付き、声を上げた 「ジョウト地方ワカバタウン…?ポケモン金銀の世界なのか!」 ドラえもんは言った 「金銀?ざけんなアホダヌキ!俺エメとフグリとダイパしかやったことしかないぞ!」 ジャイアンがドラえもんを揺さぶる 「しょ…しょうがないじゃないか…買うまではわからないんだもの…」 「まぁまぁ…落ち着いて…」 スネオはジャイアンをなだめた 「…………ドラちゃん…ポケモンは?」 さっきから疑問に思っていたしずかは言った 「アッー!」 こともあろうにこのタヌキ、ポケモンの事を忘れていた 「ポ…ポケモンがいないと何も出来ないじゃないか…うわー!!」 ビビッたスネオは逃げ出した。 「スネオ!まてこのやろう!!」 ジャイアンはスネオをおいかけた 「ふぇ…どうすんのさドラえもんー!!」 のびたは泣きついた 「とりあえずジャイアンが連れ戻すまでここで待とう」 ドラえもんは言った 20分後 「おーい!!」 「あ、ジャイアンとスネオだ!」 第一声をあげたのはのびただ 「ん…よくみて!なんかいるわ!」 しずかが何かに気付いた。 スネオとジャイアンは脇にチコリータとワニノコを連れていた 「おー!!いたいた!」 息をきらしているジャイアン 「そ…そんな事よりそのポケモンは?」 のびたが尋ねる 「これはウツギ博士にもらったんだよ!」 スネオが元気よく答える 「とにかくこの辺りは野性のポケモンが出るから危ない、研究所にいこう」 ジャイアンが冷静に判断した 一同はよくわからないままジャイアンとスネオに案内された ウツギ研究所 しずか「綺麗な研究所ね…」 研究所には意味不明な試験管や色々な機械が置かれていた ジャイアン「博士!連れてきました!」 「おーお、それが君達の友達か。ん?二人もいるのか…」 頭の少し禿げた白衣の男が言った ドラえもん「なんでぼくが人数に入ってない!!」 怒るドラえもん 禿げ「ポ…ポケモンが喋った!!」 ドラえもん「僕は猫型ロボットだ!ポケモンじゃない!」 スネオ「博士…彼には事情があるんで…」 ウツギ「そ…そうか…それより三人もいるとなると…ポケモンが足りないな」 ウツギが頭を抱える。そしてすぐに 「よし!決めた!あの二匹を渡そう!」 「よし、君達ちょっと来なさい」 手招きするウツギ しずかとのびたとドラえもんは別室ヘ連れていかれた ウツギ「君達…ポケモンは持ってないよね?」 しずか「はい」 「ここにモンスターボールが3つある。君達三人で選んでくれ」 ウツギはボールを指差しながら言った のびた「えっ…いいんですか…?」 ウツギ「当たり前さ。ポケモンを持たない子供のために用意したんだ とりあえず三匹を出してみなよ」 それぞれがボールを開いた しずか「私は…ヒノアラシだわ!」 しずかはヒノアラシを引き当てた しずか「たくましいわね!」 ドラえもん「僕はなにかなぁ…」 ボムッ ドラえもんはエイパムを引き当てた ドラえもん「エイパムかぁ…」 のびた「僕はなんだろう…」 ボムッ のびたはトゲピーを引き当てた のびた「かわいいなぁ!よろしくトゲピー!」 こうして三人の手持ちは決まった ウツギ「ちなみにそのトゲピーとエイパムはシンオウ地方で捕まえられたものなんだ もしかしたら新しい進化の可能性があるかもしれない」 のびた「僕たちラッキーだったみたいだね。ドラえもん」のびたは嬉しそうに言った 「あ、そうそう君達に頼みがあるんだ」 ウツギは言った ウツギ「これをポケモンじいさんとこに持って行ってほしいんだ」 ウツギはタマゴを持ち出して来た。 しずか「これはなんなんですか?」 しずかが不思議そうな顔で尋ねた ウツギ「つい最近見つかったポケモンのタマゴなんだけど、 ある研究でポケモン爺さんに引き取ってもらう予定なんだ」 「任せてください!!」 のびたが元気よく答えた 「おいおい、そんな安請け合いしていいのか?」 ドラえもんが耳打ちした 「ポケモンをもらった恩があるじゃないか」 のびたもコッソリ答える 「それもそうだね」 ドラえもんは納得した ウツギ「引き受けてくれるのかい?」 三人「勿論!」 ウツギ「ありがとう!じゃあ頼むよ!タマゴはデリケートだからね」 ジャイアンとスネオを呼んで来て事情を説明した ジャイアン「そういうことならお任せ下さい博士!」 元気よく答えるジャイアン ウツギ「じゃあこれを…」 ウツギは何か差し出した ウツギ「はい!ポケギアとタウンマップ!」しかもちゃんと五人分ある のびた「い…いいんですか?」 ウツギ「勿論だよ!でもタマゴはちゃんと届けるんだよ」 一同「わかりました!!」 -ワカバタウン郊外- 「いやぁいい人だったなぁ」 ジャイアンが言った 「そんな事よりジャイアン、そのワニノコはどうしたの?」 ワニノコを指差しながらのびたは言う 「さっきスネオを追いかけた時に野性ポケモンに襲われたんだけど その時にウツギ博士が俺達を助けてくれたんだ。 そんでその後ウツギ博士に貰ったってわけ」 ジャイアンが得意げに話す。 「僕はチコリータを貰ったよ」 とスネオが言った かくして五人のポケモンマスターを目指す旅が始まった! 「バサバサ…」 遠方より鳥の羽ばたく音が聞こえた 「なんだろう…?」 のびたが辺りを見回す 「クエー!!」 四匹のぽっぽと一匹のピジョンだ 「あいつら!さっき俺らを襲った奴らだ!」ジャイアンが叫ぶ 「クソォ!あいつら!今晩のおかずにしてやる!」スネオが悍ましい表情で言う 二人はいち早くワニノコとチコリータを繰り出した ドラえもん「僕らも応戦だ!」 のびしずドラも素早く繰り出す。 「…………」 「ふぅーゲームとは全然チガウナぁ」ジャイアンが汗を垂らしながら言う 「やっぱ楽しいね」スネオが答えた 「えいっ!えいっ!」のびたはまだポッポと闘っていた 「…」 一同は呆れた スネオ「おーいのびた早くしろ!!」 スネオが怒鳴る 「あわわ…みんなとっくに終わってる…どうしよう…仕方ないゆびをふるだ!」 トゲピーは指を振った! 「ドーン!!」 トゲピーが繰り出したのは破壊光線だった その破壊力に一同は少しのびたに恐怖を覚えた のびた「エヘヘ…」 -ヨシノシティ- 「やっとついたぁ!!」 ジャイアンの表情が綻ぶ 「ポケモンじいさんの家はヨシノシティの上のほうだね」 スネオが方角を指し示す ポケモンセンターで休養し、一同はポケモンじいさんの家へ向かう… -ヨシノシティ郊外- 「♪とぅるる~」 ポケギアを聴きながら上機嫌に鼻歌を歌い歩くドラえもん 「そんなに楽しいの?ドラちゃん」 しずかちゃんが質問する 「このラジオたのしいよ~♪ホラ!あれ?なんか変な音がでるな…?」 「なんか嫌な音ね…」耳を塞ぐしずか 「あ!」 ドラえもんが何かに気付く。 「なんなのドラえもん?」 のびたがドラえもんに返す 「説明書読むの忘れてた!」 「ハァ?」 みんなしてハモった ポケモン「それじゃあ説明書を読むね ~ポケモンマスターを目指す旅取扱説明書~ (1.このゲームは3~6人で遊ぶRPGです) (2.最初のポケモンは必然的にウツギ研究所で貰えます) (3.秘密道具は使えません) (4.ポケモンにダメージを受けても致死量には至りません) (5.この世界は金銀クリスタルがベースですがあなたの行動次第では設定が変わります) (6.蓄音機で録音する自己紹介で使用ポケモンが変わっていきます) (7.チャンピオンになるだけがポケモンマスターではありません) [それでは貴方の無事を祈ります]…だってさ」 「なんでこんな大切な物最初に読まなかったんだよ!!」 怒鳴るジャイアン 「しょ…しょうがないじゃないか…忘れてたんだもん」 怯えるドラえもん 陽は落ちはじめ、森は夜になろうとしていた… 「暗くなってきたなぁ…」 ドラが呟いた 「今日はここで野宿にしない?」 しずかが提案する 「そうだね。疲れたし…」 ドラえもんが賛成する。一同は野宿することにした -夜- 「そろそろ眠くなってきたし寝ようかな…ァッー!」 ジャイアンが楳図かずおの漫画ぶりの驚き顔をした 木の上からホーホーが見つめていた 「あれはホーホー…捕まえてやるぞ!」ドラえもんが構えた。 ボムッ エイパムがとびだした「ひっかくだ!そして…モンスターボール!!」 ブルっ…ブルッ…カチャキーン… おめでとう!ホーホーを捕まえた! 「やったー!」 薄汚いダミ声で鼻水たらしながらドラえもんは喜んだ。 (クソッ…タヌキなんかが1番最初に捕獲しただと?ふざけるなっ!) そう思っていたのはスネオだった 「それじゃあホーホーも捕まったし今日は寝るとしよう」 そういってドラえもんは焚火を消した -朝- 「ふぁあ…よく寝た…」 目を覚ましたのはのびただった 「あれ…?しずかちゃんとドラえもんがいない?」 いたのはよだれ垂らしてデベソ剥き出しの剛田と骨川だけだったしかも寝ている 「しずちゃんとドラえもんはどこだろう…」 「あ、のびたくん!」 森の中からドラえもんとしずかが出て来た 「みて、のびたさん!ほら!」 しずかはオタチを抱きかかえていた 「し、しずちゃんそれどうしたの…ッ?」 「可愛いから捕まえちゃったっ」しずかがサラっと答える しばらくしてスネオとジャイアンも起き、再びポケモンじいさんの家へ向かった 「とうとう着いたなぁ!」ジャイアンが叫ぶ 「それじゃあ入ろうか」ドラえもんが丸い手でドアを開けた 「すみませーん」 「はいはい、わたしはポケモンじいさん。あんたらがウツギさんの使いかい?」 50代半ばだろうか、家の中なのに何故か背広を羽織っている 「そうです!それではこれ!タマゴです!」ドラえもんが差し出す 「おお!ありがとう!後はオーキドをまつだけじゃな!」 それから程なくして 「ガチャ」 「おろ?なんか客がいっぱいおるのう?」 世界的なポケモンの権威、大木戸幸成博士だ「こんにちは!」一同が挨拶する 「ウツギさんとこのトレーナーさん達じゃよ」 ポケじいがオーキドに言う 「ほほう!みんなとてもいい顔をしておる!それに…」 オーキドが間を置いて言う 「ポケモンを大切にしておる!キミらにこれを渡そうかの…」 「ほいポケモン図鑑じゃ!」オーキドが五個の図鑑を差し出した 「いいんですか?」ドラえもんが聞く 「勿論じゃ!君らみたいなトレーナーに使ってほしい!」オーキドが笑顔で答える 五人はポケモン図鑑を手に入れた! 「して、オーキドくん。これがタマゴじゃよ」ポケじいがタマゴを差し出す 「ほほう!これは見事なタマゴじゃ!それではワシはおいとまするかの!」 慌ただしくオーキドは去っていった 「嵐のようなじいさんだったなぁ…」ジャイアンがマヌケ面で言う 「そうじゃ君達!これからキキョウのジムに挑戦してみては?」ポケ自慰が言う 「それもそうだね…じゃあみんな挑戦するとする?」ドラえもんがみんなに尋ねる 皆はうなずいた 「ポケモンは一緒に居ても楽しいが、やはりポケモンバトルは楽しいぞ! でもポケモンの気持ちは考えねばいかんぞ! ポケモンの気持ちを考えないトレーナーはゴミクズじゃからな!」 ポケモンじいさんが皆にアドバイスする しばらく話をした後、一行は家を出た 「なぁ…ここからは別行動にしないか?」ジャイアンが提案する 「それもそうだね。みんなで競った方が楽しいし。」スネオが賛成する 「それじゃあこれからは別行動だ!」ドラえもんが言う みんなは散り散りになり、各々の道を進んだ! これからポケモンマスターを目指す真の物語が始まる! CASE1-ジャイアン- ジャイアンはいち早くキキョウシティについた。 (とりあえずこのままのワニノコで挑んでも負けるな…どうするか) そんなときある看板が目についた [修業する人も遊びにくるならよっといで、マタツボミの塔] (修業…?おお…いまの俺にもってこいじゃねぇか!) ジャイアンはマタツボミの塔へ急いだ -マタツボミの塔- 「おーい!修業したいんだけど!」 ジャイアンは塔内に響き渡るような声で言った 「む?修業者かい?それなら受付で名前を記入してくれ!」 一人の坊主が言った 受け付けで記入を済まし、ジャイアンは塔荒らしにはげんだ 凶暴なジャイアンと凶暴なワニノコのコンビは相性バツグンだった -塔屋上- 「ハァハァ…君、ポケモンの腕は充分だがもうちょっと優しくしなさい…」 マタツボミの塔の長老は言った ジャイアンはすばやく塔を攻略していた 「忠告ありがとよ!だけど負け犬の遠吠えにしか聞こえねーぜ!」 ジャイアンは穴ぬけの紐を使った! 「よっしゃワニノコのレベルも上がったしジムに挑戦じゃあ!」 「たのもーーーー!!!」 大きな声がジムにこだました 「なんだなんだ?」 アシメントリーヘアーに袴を着た青年が出てきた 「あぁ…挑戦者ね…」この男こそがジムリーダーのハヤトである 「さぁ勝負しようぜ!」ジャイアンが急かす 「まぁまて。見たところワニノコ一匹か…それじゃあ1VS1だな」 ハヤトが闘技場へ案内する 「それではこれからハヤトVS剛田タケシの1VS1を始めます!」 審判の合図と共に二人の闘いが始まった! 「いけピジョン!」ハヤトが繰り出したのはピジョンだった 「いけ!ワニノコ!」ジャイアンもすかさず繰り出す 「ピジョン!どろかけ!」 「ワニノコ!みずでっぽうで掻き消せ!そしてピジョンの懐へ飛び込め!」 攻撃を阻害し、ワニノコはすばやくピジョンへかかった 「ワニノコ!ひっかきまくれ!」 「なに!たかがひっかくなのにこの破壊力は…!」 ハヤトがたじろく。 「ワニノコ!みずでっぽうでとどめだ!」 ブシャーッ! ハヤトはあっけなく負けた 「君の勝ちだ…このバッジを受け取れ…」ハヤトがバッジを渡す 「やりぃ!思いの外弱かったぜ!」 まったく礼儀のないジャイアンだった CASE2-スネオ- 「むぅぅ…」 スネオは悩んでいた。 何故なら飛行タイプ使いのハヤトにチコリータでは相性が悪いからだ (どうするか…ん…?)スネオにある看板が目についた [イワークあげるのでマタツボミください] (ポケモン交換…イワークは岩タイプ…飛行には有利…) スネオはイワークを譲り受ける事を決心した -31番道路- 「クソッ!なんで捕まらないんだ!」 スネオはなかなかマタツボミが捕まえられず、焦っていた 「何故あのアホダヌキや馬鹿女に捕まえられて俺に捕まえられない!?クソッ!」 そんな事言ってると聞き馴染みのある声が聞こえてきた 「あれーホーホー?どこいったー?」 (この胸糞悪いダミ声はドラえもんだなぁ…?) スネオの元へドラえもんのホーホーが舞い降りてきた (ん…まてよ?こいつを使えば………悪いなタヌキ。このホーホー借りるぜ) スネオの顔は醜く、汚く歪んだ 「ホーホー!マタツボミにさいみんじゅつ!」 スネオはドラえもんのホーホーの催眠術を利用してマタツボミをゲットした 「へへ…ありがとよ…ドラえもん…さて…」 スネオの顔はまたもや醜く汚く歪んだ。 「いけ、チコリータ、ホーホーに体当たりだぁ!ヒャハハ!」 スネオは散々いたぶった後、道端にホーホーを捨てといた 「それじゃあイワークとマタツボミ交換ね」交換の依頼主は言った。 「あぁ!よろしく頼むよ」スネオは機嫌よく答える 「チチチチチっポルルーン」 イワークがおくられてきた!イワークをかわいがってね! 「ありがとよ」依頼主は礼をいい、その場を去った 「さて、イワークも手に入れたしあとはハヤトをボコるだけだな」 スネオはジムヘ向かった 「なんだなんだまた子供か…」ハヤトは言った 「僕の前に誰かきたんですか?」スネオが尋ねる 「あぁ小肥りの少年だよ」 (ジャイアンか…!)スネオは察したそしてなんなくハヤトを蹴散らし、ジムをでる 「さてバッジも手に入れたし、次の街へ向かうか…」 スネオがポケモンセンターを出ようとしたそのとき 「あれは…」 スネオの視線の先にはジャイアンがいた スネオの顔は醜く汚く歪んだ CASE3-ドラえもん- ドラえもんはみんなと別れた近辺でレベルあげにいそしんでいた 「ふぅ…修業しつかれたね。」 ポケモン達はクタクタだった。エイパムが露骨に舌を出している 「それじゃあみんな手分けして食料探ししよう!集合場所はここね!」 ドラえもんとポケモンは散り散りになった -60分後- エイパムとドラえもんはとっくに戻って来ていた 「あれーホーホーどこいったー?」 返事はない 「ホーホー遅いなぁ…ちょっと探しに行こうか」エイパムと共に探し始めた -20分後- 「ホ、ホーホー!」 ホーホーは見つかったものの、ボロ雑巾のように道に転がっていた 「誰がこんなひどいことを…許せない!」 そんな時のびたが急ぎ足でゲートを通るのが見えた 「ま…まさか…のびたが…いや…そんなはずが…」 ドラえもんは動揺していた 「落ち着け…ドラえもん…のびたがそんな事するはずない… とりあえずポケギアのラジオを聴いて落ち着こう」 ♪♪♪~ 「はぁ~…この変な音波たまんないなぁ~…心地よい…」 ……この音波が自分の体を蝕んでいると、ドラえもんはまだ知らない… キキョウシティ 「とりあえずポケモンセンターへ!」 ドラえもんはボロボロになったホーホーを抱えてポケモンセンターに入っていった 「ふぅ…それじゃあジムに挑戦しようかな」 その瞬間 「ドガーーーン!!!」 いきなりのマタツボミの塔が崩れ落ちたのだ。 「あれは…!」 ドラえもんは見逃さなかった。マタツボミの塔からのびたが急いで出ていくのを 「の…のびた…!おまえが崩したのか…?おまえはそんな悪人だったのか…?」 ドラえもんはとりあえずジムに挑戦し、 催眠術を駆使してハヤトに圧倒的勝利をきめた 「ハヤト認定トレーナー…ジャイアンスネオのびたドラえもん…ジムには挑戦ずみ…」 ドラえもんは決めた。のびたの目を覚まさせると。そして報復をすると -CASE4-のび太 のびたは近くの湖で水浴びするしずかに見とれていた 「しずかちゃん…はぁはぁ…」 「誰!?」しずかが叫んだ (ばれた!)のびたはその鈍足で全速力で逃げた 「はあはあ…危なかったな…あれは…?」 視線の先にはスネオが歩いていた 「あいつに近づくとまずいな…あいつ変に勘がいいから…」 のびたは草影にかくれて、しばらくしてキキョウシティへ向かった しかしドラえもんがホーホーを見つけた瞬間にゲートに入ってしまったため、 のびたは犯人と勘違いされてしまった -キキョウシティ- 「とりあえずジムに挑戦だな」そう言って、のびたはジムに入った 「挑戦だな?よしこい」ハヤトは素早く闘技場へ案内した 「ではのびたとハヤトの1VS1はじめ!」審判が合図する 「ピジョン!風起こしだ!」 「トゲピー!ゆびをふる!」 トゲピーのきあいだめ! 「なにやってんだよトゲピー!」のびたは焦った 「フン!今までの奴らはもっと骨があったぞ!かぜおこし!」 「ああ、やばい…トゲピーの体力が…くそ!ゆびをふる!」 のびたは賭けにでた チュドーン! トゲピーはカミナリを繰り出した! 「あぁ…ピジョン…」 のびたは偶然出たカミナリで勝利を収めた [修業する人も遊びにくるならよっといで、マタツボミの塔] 「へぇぇ楽しそうだな…」 のびたはマタツボミの塔に行くことにした -マタツボミの塔内- 「それではこちらの用紙に名前をかいて下さい」受け付けが指示する 「えぇ~?」字を書くのが面倒なのびた なんだかんだで受け付けを済ました -20分後- 「何もないじゃないか!つまらない!帰る!」のびたは出ることにした 「どうせだからこのもろい柱に落書きをしておこう」 [のびた参上!] 「グラグラ…」 (なんか揺れが激しいな…)のびたは疑問に思った 「おーい崩れるぞー!」一人の坊主が言った 塔内はパニックとなった。のびたも流される様に外へ出た そしてその後すぐ チュドーン!!! 塔が崩れ落ちた 「はぁはぁ…なんだったんだ…」汗を垂らしながらのびたは言った 「おーい塔を崩した犯人はあの眼鏡だぞ!」一人の坊主がさけんだ 「え?」のびたはマヌケ面で顔をしかめた それもそのはず。のびたは塔を崩すような事はしていない だが、反射的にのびたは逃げた 「そいつを捕まえろー!」追っ手は手を緩めない (な…なんで僕が…?)鼻水を垂らしながら逃げるのびたはそう思った -CASE5-しずか しずかは近くの湖で水浴びをしていた。 「あんな冴えないガキ共となんか行動なんか最初から嫌だったのよ」 しずかは何かに気付いた 「誰!?」しずかは水をかけた 逃げられたものの、しずかには必死で走るのびたの後ろ姿が見えていた 「あのクソメガネ…たたじゃおかねぇ…」しずかは怒りにうち震えていた そしてしばらくレベルあげをしてからキキョウに向かった -キキョウシティ- 「のびた…どこだ…?」しずかは看板の前にいるのびたを見つけた 「!」すぐに仕留めようとしたが様子を見ることにした (どこへいく…)しずかはバレないようにのびたについていった -マタツボミの塔内- (こんな塔でなにをするつもりだ…?) そんなときこんな注意書きを見つけた [真ん中の小さい黒い柱を抜かないで下さい!危険です] しずかはひらめいた (この柱を抜いて塔を倒壊させ、奴に濡れ衣をきせてやる!) しずかは誰もいないことを確認し、行動に移った チュドーン!! マタツボミの塔は崩れた (ククク…作戦通り…)しずかは不敵に笑った 「一体だれがこんな事を!?」長老が泣きながら言っていた 「私…犯人しってます…」しずかは演技した 「何…本当か!?」長老が食いつく 「はい…眼鏡をかけた男の子でのびたって名前です…」 「おい!来訪者名簿をしらべろ!」長老は叫んだ 「確かに名前があります!のびたという名です」助手らしき坊主が答えた 「そういえば…彼様子がおかしかった…字を書くだけなのに露骨にしぶってたし… 何より、ポケモンを連れていたのに見学しかしてなかった!」 受け付け役が言った 「のびたか…そいつを今すぐ捕まえるんだ!」長老は指示した (作戦成功!)しずかは心の中でガッツポーズをとった 「それじゃわたしはこれで…」しずかは去った 「おー!君!ありがとう!そうだこの技マシンを受け取ってくれ!」 何も知らない長老は真犯人に礼を言った揚句、技マシンを渡した 「ありがとう…クッ」しずかは小さく笑った その後のジムもなんなく勝ち、しずかは次の街へ向かうことにした 現在の状況 ジャイアン(ワニノコLV17) スネオ(チコリータLV15イワークLV12) ドラえもん(エイパムLV15ホーホーLV17) のびた(トゲピーLV15) しずか(ヒノアラシLV13オタチLV18)
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第一話 最悪の冬休みの始まり のび太達がシルク・ド・フリークを見た7月から五ヵ月後の12月 冬の東京都練馬区ススキが原 この街は現在日本一治安の悪い所なのかも知れない。 朝、散歩をする老人もいなければ夕方に外で遊ぶ子供もいない 小学生から高校生まで集団で警察同伴の登下校が規則になった 事の始まりは7月の終わり頃 小学四年生の男子生徒の行方不明から始まった 必死の捜索にもかかわらずその男子児童は発見されなかった そしてその頃から年齢性別、交友関係など共通事項は無くススキが原の住人合計42名が行方不明になった 10月の中旬頃 最初の行方不明者だった小学生が深夜に倒れている所を保護された 検査の結果全くの健康体、目立った外傷も無く精神状態も安定していたので数日で退院 数日して男子児童に警察が事情聴取が行われる予定だったが 男子児童はなぜか生の肉を食べたがり、外にぬけだしては肉屋の生肉を見つめるようになった その後男子児童は精神病院に入院したが数日後病院を脱走し行方不明になる。 数日後、今度は同じく行方不明中だった男子中学生が夜の道を怯えているように歩いているところを保護された。 その中学生は入院中「血」もしくは「悪魔」その二つしか発言せず そのまま数日が立ったある日、倒産され潰れた会社の廃ビルの場所を事情聴取のために訪れた刑事に話した。 そこに駆けつけた警察が見たものは捜索願が出された行方不明者41名中34名の死体、死因はすべて体中の血を抜かれた出血死 しかもその死体の中には内臓が取り出された者や激しい暴行を受けた後がある死体もあり事件の異常性を示していた。 警察は大量無差別殺人事件と認定、本格的な対策本部を設置し 住民に対する説明会や行方不明者の捜索、パトロールの強化等を行いその成果もあってか一時的に行方不明者の増加を抑えたが 11月中旬、男子中学生は首を吊って自殺 その後警察の必死の捜査を嘲笑うかのように行方不明者が激増 12月15日現在ススキが原及びその付近の住人の行方不明者は47名となっていた。 「皆さん今日も警察の方達と一緒に真っ直ぐ帰ってその後はちゃんと家にいるよ~に!! 冬休みだからと言って外で一人ではなるべく遊ばないでください!!暗くなる前に家には帰るように!!ではさよ~なら」 ○×小学校5年3組のび太達の担任の先生はそう大声で教室の生徒達に告げた このクラスからも行方不明者は1人出ており、やはり心配なのだろう。 しかも今日から冬休みの為先生の口調が強くなるのを生徒達は感じていた。 さて下校中、警察官数人に囲まれて二列で何十人の生徒達が通学路を歩いている。 その一角にのび太達一同はいた 「あ~あ、外に遊びにいけないだなんてふざけんじゃねぇつ~の、おかげで毎日店番ばっかり、ホント嫌になるぜ」 ブツブツと愚痴をこぼすジャイアン 「仕方ないわよ、行方不明者が何人も出ているんですもの・・・。」 そう落ち込み気味で言うしずか 「それにしてもスネオの奴どうしたんだろ?今日学校来てないし心配だな~」 「あら?のび太さん、知らないの?スネオさんは今日風邪で休んでるそうよ。」 「え?そうだったの?」 「のび太は相変わらず馬鹿だな~」 そう言いながら笑うジャイアンに顔を膨らませるのび太 そこでしずかとジャイアンは立ち止まる 「じゃあ私はここで違う道だからいくわね。」 「あ・・・俺もここでお別れだな」 「バイバイ~今日また電話するよ~!!」 そういいながら手を振って警察の人に囲まれて三人は別々の帰路に着いた それからしばらくして 「じゃあのび太君さよ~なら」 引率していたガッチリとした体格の30台半ばぐらいの男の警察の人がそう言いながら手を振ってのびたの家の前から去った 家の距離上でのび太は家に帰るのは一番最後なので引率の人とはそれなりに仲良くなッていたのだ。 「は~い、おじさんも気を付けてください」 そう言いながら男の背中に向けて手を振ればのび太は家の中に入り 階段を登りのび太の部屋の戸を開けるすると、 「やぁのび太君おかえり」 そう言いながらのび太を出迎えたのはドラえもんだ 「ただいま、ドラえもん、それにしても冬休みなのに外に出られないなんて嫌だな・・・・。」 「仕方ないよのび太君、こんなときに外に出て殺されちゃたら元も子もないんだから・・・。 僕は今日から工場に検査に行かないといけないから僕が帰ってくるまではパパさんとママさんの言う事をちゃんと聞くんだよ?」 実はドラえもんはのび太に電源を落とされて以来どうにも調子が悪く検査を受ける事になっていたのだ 「それはちゃんと分かってます」 「それと万が一に備えて一応この非常呼び出しブザー渡しておくから何かあったら絶対押す事、わかった?」 「わかってるよ!!ドラえもんは相変わらず心配性なんだから」 そう言いながらヘラヘラ笑うのび太にドラえもんは少々怒気を混ぜながら 「のび太君!!僕は君に死んで欲しくない!!だから万全の準備をしておきたいんだ!!それを君は分からないのか!!」 と大声で叫んでいた。流石にこれにはのび太も驚いて 「ご・・・・ごめん・・・。ドラえもん・・・。」 少々萎縮した形でドラえもんに謝っていた。 それを見てドラえもんは自分が大声を出してしまった事に動揺していたが 「ううん・・・。僕の方こそ怒鳴ったりしてごめん・・・・。」 辺りに嫌な空気が流れ始める・・・。 「じゃあ・・・僕もういくね?」 「うん・・・。けど早く帰ってきてね・・・。ドラえもん・・・。」 「勿論だよ。のび太君」 そう言って笑って見せるとそのままドラえもんはタイムマシンで未来へと向かっていった。 それを見送ればのび太は 「さてじゃあ僕は昼寝でもするか・・・。」 そう言えば毛布を取り出して座布団を枕にして横になる事0.3秒、完全に熟睡していた それから数時間後 時刻は午後9時を過ぎ日はすでに沈んでいる、事件の事もあるので夜の外出者など、ほとんどいない。 のび太は部屋の窓から外を眺めていた。すると外に見覚えのある人影が見えた。 「ジャイ・・・アン?なんでこんな時間に?」 のび太は疑問に思ったが今考えても仕方が無い。急いで玄関から靴を持ってきてタケコプターで空を飛ぼうとした時 「やっぱし・・・丸腰じゃ外に出るの怖いな・・・・。」 そう震えながら呟くとドラえもんのスペアポケットから光線銃2丁取り出しポケットに装備する。 これを持つとのび太は何となく心強い感じがした。 そして窓からタケコプターを使い外に出た 冷たい空気が顔に当たり自然にのび太の表情は自然に引き締まっていく。 この夜に大声を出すと近所迷惑だと考えてかのび太はできる限り静かにジャイアン捜索を開始した。 そして1時間が経過した。 依然としてジャイアンは見つからず、流石に真冬に空を飛び続けたので寒かったのでのび太は公園で一休みする事にした 「ジャイアン・・・・。無事だと良いんだけど・・・。」 のび太は何か嫌な予感がしていた。 例えるなら通学中に犬の尻尾を踏んづけてしまいその後に襲われると直感する、あの感覚に近い 今、自分が何かをしなければ何か悪い事が起こる、そんな気がしたのだ。 そして立ち上がったとき 「こんな時間に何してるんだい?」 男の人の声がした。 そして気が付くとそこには緑色のコートを着た中学生ぐらいの少年がいた 「その・・・友達を探してるんです、ゴリラみたいな顔の男の子でジャイアンって言うんですけど知りませんか?」 「う~ん・・・見てないな・・・。」 「そうですか・・・。」 のび太は明らかに落胆の色を表情に出す 「役に立てなくてごめんね」 少年は申し訳無さそうにそう言った 「いえ、・・・あの所で前にどこかで会いませんでしたか?」 「ああ、知ってるとも、シルク・ド・フリークでウルフマンを気絶させちゃた子供達の1人だろ?確か名前は・・・のび太君」 「え?どうしてそれを?」 「それは僕がシルク・ド・フリークの団員だからさ、多分君は僕と話したことは無くても見たことはあると思うよ?ステージの上で」 数秒間を開く、のび太はあまり記憶力の良い少年では無い、頭を抱えて思い出そうとするが、うまく思い出せない その内のび太の頭から煙が出てきそうだったので 「まぁ覚えて無くても仕方ないかな・・・。僕の場合助手だったしね」 そう苦笑しなながら言いつつも少年は内心少々ショックを受けていた 「ほらこうやってフルート吹いて蜘蛛を操っていた助手さ」 そこまで言われてのび太の頭の中で歯車が噛み合った感じがした 「ああ・・・。あの蜘蛛の曲芸の時の助手の人・・・。」 何となくのび太は思い出しかけていたがどうにもあやふやな感じだった。 「まぁいいや・・・。とりあえず自己紹介、僕はダレン・シャンよろしく」 そう言いながらダレン・シャンと名乗った少年は右手を差し出した 「その・・・あんまり思い出せなくてすいません・・・。野比のび太です。よろしく・・・。」 そう言いながらのび太は差し出された右手を握った。 その瞬間だった 「危ない!!」 そうダレンは叫んでのび太を片手で放り投げた その体格とは不釣合いな力で一瞬でのび太は数メートルまで吹き飛んだ 状況が全く理解できず 理不尽な痛みに混乱しながら前を見るとそこでは ダレンとのび太と同じくぐらいの背丈の少年が戦っていた 両者の武器は同じくナイフ 辺りに響くのはナイフがぶつかり合う金属の音 それが数回響いて素人の、のび太の目から見てもダレンは圧されていた そしてついにダレンのナイフは弾き飛ばされ地面に倒れこむダレン ナイフを高々と持ち上げダレンを殺そうとする少年 そしてナイフは――――――地面に突き刺さっていた。 辺りに響いたのは肉を裂く音では無く電撃が走るような音で 少年の手は何か強い衝撃を受けたように赤く腫れて ダレンと少年が向けた視線の先には まだ煙が出ている光線銃を右手に構えたのび太の姿があった 「ダレンさん大丈夫!?」 光線銃を構えたままダレンに言うのび太 予想外の出来事に呆然としていたダレンも正気に戻ったらしく 「ああ・・・。」 ダレンのその返事とほぼ同時にのび太目掛けて少年が左手にナイフを持ち襲い掛かってきた 少年の向かってくるスピードは速いがのび太の射撃の腕ならはずす事は無い しかし少年が持つのはスピードだけではなく殺気だ。 気の弱いのび太はその殺気と言う名の気迫に襲われる その結果手が震える、手が震えるという事は射撃の命中率が下がる。 「うわぁぁぁぁぁあああぁぁ!!!!」 悲鳴に近い叫びを上げながらのび太は光線銃を乱射するが当たらない。 ダレンも少年の後を必死に追い阻止しようとするが ブスリ 肉にナイフが刺さる音がした のび太の肩にナイフが突き刺さる 『痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い』 初めて肉にナイフが突き刺さる経験をしたのび太の頭にはそれしか思い浮かばなかった のび太の肩から抜かれるナイフ、のび太は倒れて地面に肩から流れ落ちる血 「助けて・・・ドラえもん・・・。」 そう呟きながらのび太はポケットにしまった非常呼び出しブザーのボタンを押した。 これでドラえもんが助けてくれる、ドラえもんが何とかしてくれる そんな思考がのび太の頭を支配していく。 そしてダレンが少年に突き飛ばされ少年のナイフがのび太の命を奪おうとした時 目の前の誰かがその攻撃を防いだ それはのび太のよく知る青いネコ型ロボットではなく黒いマントにオレンジ色の髪をした屈強な男だった